ヘツカニガキ(辺塚苦木)

Sinoadina racemosa


ヘツカニガキ1

  • 科名・属名 : アカネ科 ヘツカニガキ属

  • 特徴 :
     高さ5〜20mの落葉高木。
     葉は対生、葉身は心形〜広卵形〜長楕円形、長さ5〜15cm、幅3〜10cm。先は鋭尖頭、基部は少し心形〜切形、縁は全縁。質は革質、表面はほとんど無毛、裏面は初め脈上に短毛が散生し、しばしば脈の基部に綿毛が密生してダニ室となり、脈は赤味を帯びることが多い。葉柄は長さ2〜4cm。托葉は早落性。
     花は枝先に3〜10個が頭状花序に総状につく。頭状花序は球形、花柱をのぞき径約1.5cm。花冠は黄白色、筒状漏斗形で長さ5〜7mm、花筒は細長く、先は5裂し、外面と内面上部に微軟毛が密生する。裂片は卵形で長さ約5mm。花柱は細長く、先は根棒状に膨らむ。雄しべは5個、花柱の上部につき、花糸は非常に短い。萼は短い円筒形、先は5片に裂け円形、軟毛が密生する。
     果実(刮ハ)は倒卵形〜倒披針形、長さ約4mm。種子は翼を含め長さ約3mm。

  • 分布・生育地 :
     四国(南部)、九州(南部)〜沖縄 (国外:中国(中南部)、台湾、インドシナ)
     常緑樹林内

  • 花期 :   6〜7月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2020年6月14日  沖縄県国頭郡
     中上・全体2、以下葉を除き全て    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     右・葉(表)、葉(裏) 2020年6月13日    同  上

  • 撮影記 :
     数年前、沖縄島の北部でこの花の蕾を見た。帰って調べると球形の面白い花が咲くようで、何とか花を見たいと思っていたが、花期に出かけることができなかった。
     大木になるので見上げるような高い所に咲くことが多いが、沖縄島北部のその場所は、谷から伸びた枝先の花がちょうど道路の高さとほぼ同じで、簡単に撮影することができた。
     訪れたのは午後の遅い時間だったので翌日も訪れたが、わずか半日強の違いにもかかわらず、花の咲き具合は目で見て分かるほど進んでいてびっくりした。
     長年の夢が叶って喜んだが、九州南部にはこれに似たタニワタリノキという花があるので、これも見てみたいものだ。

  • 葉(表)

    葉(裏)

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ヘツカニガキ2

花序

花