タイワンルリミノキ(台湾瑠璃実の木)

Lasianthus cyanocarpus


タイワンルリミノキ


  • 科名・属名 : アカネ科 ルリミノキ属
     注.APG分類では、学名(L. hirsutus)

  • 特徴 :
     高さ1〜2mの常緑低木。
     茎は疎らに分枝し、若枝には褐色の剛毛が密生するが、後に無毛になる。
     葉は対生、葉身は長楕円形〜倒披針状長楕円形、長さ11〜23cm、幅3.5〜6.5cm。先は鋭頭〜鋭尖頭、基部はくさび形、全縁。両面に開出する褐色の長毛がやや密生する。葉柄は長さ0.8〜1.5cm、開出する褐色の剛毛が散生または密に生える。托葉は狭三角形で長さ1〜1.5cm。
     花は葉腋に数個つき、花冠は漏斗形で長さ1〜1.5cm、外面に粗い毛が内面に長毛があり、先は5裂し、裂片は三角状卵形で鋭頭、長さ約3mm。萼筒は鐘形、長さ約3mm、先は5裂し、線状披針形で長さ2〜2.5mm、褐色の長毛が密生する。花の基部に三角状披針形〜披針形で長さ2〜4cmの2個の大きな苞葉があり、披針形で鋭頭、褐色の長い剛毛が密生し、長さ1〜3cm、幅0.7〜1.5cm。小苞は線形〜広線形。
     果実(核果)は球形〜倒円錐形、径5〜8mm、瑠璃色に熟す。普通、葉腋に数個つく花のうち1個だけ成熟する。

  • 分布・生育地 :
     九州(奄美大島以南)〜沖縄 (国外:中国(南部)、台湾、東南アジア、インド、ニューギニア)<
     樹林内

  • 花期 :   10〜12月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体 2012年11月27日  沖縄県西表島
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中上・花1 2022年7月10日    同  上
     中中・花2 2012年11月27日    同  上
     中下・果実1 2007年4月29日    同  上
     左下・果実2 2019年5月11日    同  上
     右上・葉(表)、右中・葉(裏)    同  上
     右下・茎 2022年7月10日    同  上

  • 撮影記 :
     ルリミノキ属の仲間は数種類知られているが、葉が大きくて全体が褐色の長い剛毛に覆われ、大きな苞葉があるので比較的同定しやすい。
     八重山諸島の林下で本種には時々出会うが、花付きがあまりよくないようで、花も実もついていない個体が多い。
     また、図鑑では葉腋に数個の花がつくとされているが、これまで出会ったのは1本の木で1個しか花が咲いていないものばかりで、同時に何個も花が咲くことはないように思われる。
     そのせいなのかどうかわからないが、葉腋に数個つく花のうち成熟するのは1個だけのようである。

  • 葉(表)

    葉(裏)

    花

    同じ科の仲間の花
花1

花2

果実1

果実2