カミガモソウ(上賀茂草)

Gratiola fluviatilis


カミガモソウ1


  • 科名・属名 : ゴマノハグサ科 オオアブノメ属
     注.APG分類では、オオバコ科(PLANTAGINACEAE)、属名以下学名変わらず

  • 特徴 :
     草丈10〜30cmの1年草。
     茎は柔らかく円柱形で直立、基部でやや分枝し、短い軟毛がある。
     葉は対生、葉身は卵形〜倒卵形、長さ1.5〜4cm、幅0.7〜2cm。先は鈍頭で、基部は鋭形〜切形で葉柄に繋がり、縁に不揃いな鋸歯がある。質は膜質、両面無毛で3脈がある。葉柄は長さ0.4〜1cm、無毛。
     花は茎の上部の葉腋に1個つき、開放花と閉鎖花がある。花柄は3〜10mm。花冠は白色、筒形で先は唇形になり、長さ約5mm。上唇はほとんど裂けず、下唇は3裂する。雄しべは2個、花糸に密に毛がある。仮雄しべはない。花柱は短く、上下に扇状の2片に分かれる。萼は細かく5深裂し、長さ3〜6mm、裂片は線状狭卵形。小苞が萼に1対つき、のみ形で、長さ約2mm。
     果実(刮ハ)は球形、長さ3〜6mm、緑色に熟す。種子は小さく、長楕円形。

  • 分布・生育地 :
     本州(三重・京都・兵庫県)、四国(高知県)、九州(長崎・宮崎・鹿児島県(奄美大島)) (国外:日本固有)
     湿地

  • 花期 :  8〜10月

  • 撮影月日・場所 :
    上・全体1 2005年9月17日  兵庫県
    中・全体2、以下全て    同  上
    (上、中は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     初め京都の上賀茂神社で見つけられたことでこの和名がつけられている。
     京都府ではなくなったと聞くが、現在の自生地は三重・兵庫・高知・長崎など僅かの県で記録されるだけお希少種(絶滅危惧TB類(EN))である。
     ある本の「兵庫県のつぶれたため池の縁にあった・・・」というヒントというにはあまりにも漠とした記述。これだけでわざわざ首都圏から探しに行く花仲間もすごいが、それで見つけてしまう馬力と洞察力には恐れ入る。
     その花仲間の話を参考に9月中旬撮影に出かけた。話を聞いているので簡単に見つかるかと思ったが、人の入らない場所は話だけではわかりにくく、やっとのことで花を見つけた。
     閉鎖花が多く開放花は少ないと聞いていたが、写真のように開放花をつけた株がいくつも見つかった。ただ、全般的に花の終わった株が多く、鹿か猪などの野生動物に踏まれた?株も多数あった。
     やっと出会えた花であるが、どこにでもありそうな花のような気がするし、まだまだ新しい自生地が見つかるかもしれない。

  • 葉

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カミガモソウ2

花