|
- 科名・属名 : ゴマノハグサ科 キタミソウ属
- 特徴 :
草丈2〜5cmの多年草。
茎は細く泥の上を這い、所々に株を作る。
葉は互生、根元にまとまってつき、葉身は狭長楕円形〜狭倒卵形、長さ1.5〜5cm。先は鈍頭、下部は長く細まって次第に葉柄になり、鋸歯はない。
花は根元の葉腋から15mm程度の花茎を伸ばし、花冠は白色、鐘形で筒部は細く、先は車状でほぼ同形の5つに裂け、径2〜3mm。雄しべは4個、花筒の上部につく。葯は2室が合着し手1室となり、縁が裂ける。子房は球形〜卵円形、花柱は短く先は2裂する。萼は鐘形、先は5裂し、裂片は萼筒より短いかほぼ同長。
果実(刮ハ)は卵円形、長さ2.5〜3mm。種子は楕円形で網目模様があり、褐色で長さ約0.5mm。和名はこの花が発見された北海道の北見にちなむ。
- 分布・生育地 :
本州(関東地方、奈良県)、九州(熊本県) (国外:北半球の温帯〜寒帯に広く分布) 水辺の泥地
- 花期 : 6〜10月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 1993年10月16日 埼玉県越谷市 中上・全体2 2018年10月18日 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・花 1993年10月16日 同 上 左下・果実 2018年10月18日 同 上 右下・葉 同 上
- 撮影記 :
最初に北海道で発見されてこの和名が付けられている。
北半球の温帯〜寒帯に広く分布し、北海道の他、関東や奈良県と熊本県でも見られるが、種子が小さいことから渡り鳥が運び、水辺の泥地に根付いたものと考えられている。
九州では6〜7月ごろ咲くようであるが、関東では田の水を落として水量が減った秋にも花が見られる。水につかる時期がないと生育できないようである。
この写真も、埼玉県のある市内を流れるややドブ臭い川で、水量が減って現れた中州に咲いていた。
そんな川に這いつくばって何をしているのかと、通りがかりの人に訝しげに見られるのには閉口した。
最近、25年振りに埼玉県の自生地を訪れてみると、辺りの状況は変わり生育場所も同じではなかったが、当時と同様川岸の泥の中に生えていた。
同じ科の仲間の花
|