kugaiso

クガイソウ（九蓋草or九階草）

Veronicastrum sibiricum subsp. japonicum

クガイソウ１

科名・属名　：　ゴマノハグサ科　クガイソウ属
　注．ＡＰＧ分類ではオオバコ科(PLANTAGINACEAE)、学名(V. japonicm var. japonicum)。ただし、ＡＰＧ分類Ⅲ、Ⅳに基づく「日本の野生植物５」(平凡社刊)では、学名(V. sibiricum f. glabratum)としている

特徴　：
　草丈８０～１３０ｃｍの多年草。
　茎は直立し、枝分かれせず、無毛か毛が疎ら～密生する。
　葉は４～１０個が輪生し、基部の葉は小さく、中部の葉の葉身は長楕円状披針形～狭卵形、時に楕円形、長さ５～１８ｃｍ、幅２～５ｃｍ。先は尖り、基部は柄がないか短柄があり、縁には多くの鋭鋸歯がある。両面無毛か時に有毛、または表面無毛で裏面は有毛。
　花は、茎の先から長さ５～４０ｃｍの長い総状花序を出し、上部の葉腋からも短い花序をだし、多数の花をつける。花序柄と花序軸には屈毛があるが、毛の密度はいろいろ。苞は狭三角形、花柄より長く、長さ１～１．５ｍｍ。花柄は花時で長さ１．５～３ｍｍ。花冠は淡紫色、筒形で長さ５～６ｍｍ、先は４浅裂し、裂片は三角形で先は尖る。雄しべは２個、長く花の外に飛び出す。花柱は細長く柱頭は棒状、雄しべと同長で花外に飛び出す。萼は鐘形で５深裂し先は鋭頭、裂片は三角状狭卵形、長さ約１ｍｍ。
　果実（蒴果）は卵形、長さ約２．５ｍｍ。
　草丈が低くて４０～７０ｃｍのものが伊吹山などにあり、
　●イブキクガイソウ(f.humile)という。

分布・生育地　：
　本州（伊吹山）、四国(東赤石山系、剣山）　（国外：日本固有）
　山地の日当たりの良い草地

花期　：　７～８月

撮影月日・場所　：
上・全体１　1978年7月30日　　岩手県早池峰山
中上・全体２　2005年7月31日　　山梨県夜叉神峠
中下・全体３　2004年8月11日　　長野県八方尾根
(上、中上、中下は拡大写真あり、写真をクリック）
左下・花　2012年8月5日　　栃木県日光
右下・葉　2005年7月31日　　山梨県夜叉神峠

撮影記　：
　草丈が１ｍを超える場合が多く、夏の山を彩る主役の一つである。
　高山ではなく山地の草原などに群生していることが多い。
　クガイは九蓋（九階）と書き、輪生状につく葉が何段にも重なる様子を表している。
　写真ではわかりにくいが、花序に短い毛があるのが特徴で、西日本から九州に見られるナンゴクガイソウとの相違点とされる。

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クガイソウ２

クガイソウ３