リュウキュウスズカケ(琉球鈴懸)

Veronicastrum liukiuense


リュウキュウスズカケ1


  • 科名・属名 : ゴマノハグサ科 クガイソウ属
     注.APG分類では、オオバコ科(PLANTAGINACEAE)、属名以下学名変わらず

  • 特徴 :
     草丈60〜100mの多年草。
     茎は斜上し、湾曲して先は垂れ下がり、地に接して新苗をつくる。茎に軟毛を散生する。
     葉は互生、葉身は卵形〜卵状楕円形で長さ5〜9cm、幅2.5〜7cm。先は尖り、基部は鋭形〜鈍形で葉柄に流れ、縁には扁平で先が短く尖った鋸歯がある。表面は無毛、裏面は中肋と側脈が隆起し、脈上に粗い毛がある。葉柄は長さ5〜10mm、軟毛が生える。
     花は葉をつけた茎の先端につき、長さ2〜4cm、径約1.5cmの円柱形の穂状花序となる。花柄には粗き毛がある。苞は線状狭卵形、長さ6〜8mm、鋭尖頭で粗い毛がある。花冠は筒形で先は4裂し、白色で淡紫色を帯び、長さ約7mm、筒部は長さ約3mm、表面は無毛で、内面に軟毛が密生する。雄しべは2本、長さ約8mm、花冠の外に飛び出る。花糸の下部は有毛。花柱は細長く、先端は膨らんで柱頭がある。萼は鐘形で5深裂し、長さ約5mm、裂片は狭卵形で長さが不揃い、先は長鋭尖頭、長さ2〜4mm、上部の縁に粗い毛がある。
     果実(刮ハ)は卵円形、長さ3〜3.5mm、胞間と胞背で裂開して多数の種子を出す。種子は小さく、半球状の楕円形。

  • 分布・生育地 :
     九州(奄美大島)〜沖縄(沖縄島北部) (国外:日本固有)
     林下

  • 花期 :  9〜10月

  • 撮影月日・場所 :
    上・全体1 1994年9月24日  鹿児島県奄美大島
    中・全体2、以下全て    同  上
    (上、中は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     1993年に発行された一次のレッドリストでは野生絶滅(EN)に分類されていた。(2次では訂正され、絶滅危惧TA類(CR)とされている)
     その翌年、奄美大島を訪れた際、地元の方の案内でこの花を撮影した。レッドデータといってもまだ調査は不十分だなと感じた。
     自生地は原生林下の薄暗い斜面、いかにもハブがいそうな雰囲気で、周囲の草むらを叩くなど安全を十分確認しながら撮影に臨んだ。
     20数年後、この仲間を研究されている学者の方の依頼で情報提供すると、後日見つかったとのお礼の連絡があり、まだ健在なのだと嬉しくなった。

  • 葉

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リュウキュウスズカケ2

花