テングクワガタ(天狗鍬形)

Veronica serpyllifolia subsp. humifusa


テングクワガタ1


  • 科名・属名 : ゴマノハグサ科 クワガタソウ属
     注.APG分類ではオオバコ科(PLANTAGINACEAE)、属名以下学名変わらず

  • 特徴 :
     草丈10〜20cmの多年草。
     茎は地上を這い、先が直立し、細かな毛が散生する。
     葉は対生、葉身は楕円形〜卵形で、長さ6〜15mm、幅4〜10mm。先は鈍形で、やや厚みと光沢があり、縁には不明瞭な少数の鋸歯があり、両面とも無毛。葉柄はないか短い柄がある。
     花は茎の先に細い花序を出して10〜20個程度の多くの花をつける。苞は長楕円形で下部は次第に葉に移行する。花柄は長さ2〜6mm、長軟毛と短毛が生える。花冠は花弁状に4深裂し、淡青紫色で濃色の筋があり、径5〜7mm。雄しべは2個。萼は4深裂し、裂片は長楕円形で先は円い。
     果実(刮ハ)は平たい倒心形で先がへこみ、長さ2.5〜3mm、幅4mm。

  • 分布・生育地 :
     本州(中部〜東北地方)、北海道 (国外:ロシア(千島列島、サハリン、カムチャッカ半島)、北半球の亜寒帯域に広く分布)
     亜高山帯の湿った林内、林縁

  • 花期 :  6〜8月

  • 撮影月日・場所 :
    上・全体1 1981年7月19日  北海道夕張岳
    中上・全体2 2004年6月13日  長野県上高地
    (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
    中下・花序    同  上
    左下・花 2014年7月9日  北海道知床半島
    右下・葉     同  上

  • 撮影記 :
     高山でなく、亜高山帯や深山のやや湿った場所に多い。
     尾瀬や白馬岳などでよく見かけるので撮影しているかと思ったら、かなり以前に夕張岳で撮影していただけだった。
     天狗などと名前はいかめしいが、小さな丸い葉が全体の雰囲気を和らげ可愛いらしい感じの花である。

  • 葉

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テングクワガタ2

花序

花