クロキ(黒木)

Symplocos kuroki


クロキ

  • 科名・属名 : ハイノキ科 ハイノキ属

  • 特徴 :
     高さ8〜12の常緑小高木。
     幹は径10〜30cmになり、樹皮は黒褐色で滑らかで、若枝は淡黄緑色で稜がある。
     葉は互生、葉身は楕円形〜狭倒卵形、長さ4〜7cm、幅(1.5〜)2〜3.5cm。先は鈍頭〜鋭頭、基部は鋭形、縁は全縁か上部に疎らな波状の鋸歯がある。質は革質で光沢があり、主脈は隆起し、両面とも無毛。葉柄は長さ6〜15mm。
     花序は前年枝の葉腋に短い穂状花序を出し、白色の小さな花をつけ、花序が短いので花が密集してつく。花冠は5深裂し、長さ4〜5mm。雄しべは25〜40本と多い。雌しべは1個、花柱は細長く、柱頭は頭状。萼は5深裂し、裂片は卵円形、縁に微毛がある。苞は扁心形、長さ2〜3mm、淡灰色の短毛がある。小苞は長さ2.5〜3mm。
     果実(核果)は長楕円形、長さ0.9〜1.3cm、先端に宿存する萼が残り、10〜12月に紫黒色に熟す。種子は楕円形で長さ約5mm。

  • 分布・生育地 :
     本州(千葉県、鳥取県以西)、四国、九州(トカラ列島まで) (国外:韓国(済州島))
     照葉樹林

  • 花期 :   12〜4月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体 2020年2月22日  長崎県福江島
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中上・花序、中下・花1    同  上
     左下・花2 2023年4月10日  大分県中津市
     右上・葉(表) 2020年2月22日  長崎県福江島
     右下・葉(裏) 2023年4月10日  大分県中津市

  • 撮影記 :
     長崎県の福江島にカンアオイの撮影に出かけた。2月という真冬の時期なので他に花はないだろうと期待はしていなかった。
     しかしさすがに暖流に洗われる島、冬でも咲く花や、西日本でなければ見られない花など、予想外の初めての出会いがいくつもあった。
     この花もその一つ、車を止めた海岸近くの駐車場の常緑樹の林縁で花をつけていた。
     穂状花序であるが、花序が短いので花が密集してついているように見える。

  • 葉(表)

    葉(裏)

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花序

花1

花2