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- 科名・属名 : ハマジンチョウ科 ハマジンチョウ属
注.APG分類V、Wでは、ゴマノハグサ科(SCROPHULARIACEAE)、ハマジンチョウ属、学名(Pentacoelium bontioides)
- 特徴 :
高さ1〜2mの常緑低木。
幹は古くなると横たわり、四方に広がる。
葉は互生、葉身は長楕円形〜楕円形、長さ5〜10cm、幅2〜3.5cm。先は尖り、基部はしばしば葉柄に流れ、全縁。質はやや肉質で厚く、両面無毛。葉柄は長さ1〜2cm。
花は葉腋に数個が束生し、横向きに咲く。花冠は漏斗形で5裂し、長さ2〜2.5cm、白色で淡紅紫色を帯び、内面に濃赤褐色の斑紋があり、裂片は楕円形で先は反り返って鈍く、長さ1〜1.5cm。雄しべは4個。萼は鐘形で深く5裂し、長さ約3mm、裂片は狭卵形で先は尖る。花柄は花時で約2cm、果時で約3cm。
果実(核果)は卵状球形で先は尖り、長さ1〜1.2cm、淡褐色に熟し、しばしば花柱が残る。内果皮はコルク質で厚く、長楕円形の種子が数個あり、果実は海水に浮き、潮に流されて広がる。
- 分布・生育地 :
九州(長崎・五島列島、熊本・天草、鹿児島県西部以南)〜沖縄 (国外:中国(中南部)、台湾) 海岸の砂浜、岩地などの湿地
- 花期 : 1〜5月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2004年3月5日 沖縄県南城市 中1・全体2 2020年2月21日 長崎県五島列島 中2・花序、中3・花1 同 上 (上、中1、中2は拡大写真あり、写真をクリック) 中4・花2 2004年3月5日 沖縄県南城市 左下・果実(未熟果) 2017年4月10日 同 上 右下・葉 同 上
- 撮影記 :
種子が海に浮き、潮によって流されて分布を広げることから、自生地は全て海の側にあり、天然記念物に指定されている所もある。
花期も他の花の少ない冬季に咲くため、近くを訪れた時は必ずといっていいほど立ち寄っている。
ただ、花期が長いせいかポツポツ咲いていることが多く、全体花盛りという光景は眼にできないが、逆に花と果実が同時に見られる。
その中でも長崎県五島列島で出会った花は、花期が良かったせいか、それまで見たことがないほどよく咲いていた。
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