アメリカネナシカズラ(亜米利加根無葛)

Cuscuta pentagona


アメリカネナシカズラ1


  • 科名・属名 : ヒルガオ科 ネナシカズラ属
     注.APG分類では、学名(C. campestris)

  • 特徴 :
     つる性で草丈約50cmの1年草の寄生植物。帰化。
     全体に葉緑素はなく、淡黄色〜淡黄赤色。茎は針金状で無毛、分枝して吸盤を出し、左巻きに他の植物に絡みつく。
     葉はなく、節に黄褐色の小さな鱗片をつける。
     花は鱗片の腋に小さな集散花序を出し、頭状に多くの花をつける。花冠は白色、広鐘形で5裂し、径約3mm。裂片は先が尖り、広く開き、時に反転する。萼は半球形、先は浅く5裂し、裂片は卵円形。雄しべは5個、花冠筒に付着し、先は花冠の外に飛び出る。花筒部の内部内側にある裂片は楕円形で分裂せず、先に多数の小突起がある。花柱は2個、柱頭は短く、頭状に膨らむ。
     果実(刮ハ)は球形、径約3mm、下半部は萼筒に包まれ、不規則に果皮が破れて種子を散らす。種子は歪んだ楕円形、黒褐色で、長さ約1.5mm。

  • 分布・生育地 :
     帰化(北アメリカ原産)(日本全土に帰化) (国外:ヨーロッパ、アジア、ロシア(極東地域)に帰化)
     河原、草地、道端

  • 花期 :   7〜10月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2004年8月8日  栃木県渡良瀬遊水地
     中上・全体2 2005年12月3日  沖縄県与那国島
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花1 2004年8月8日  栃木県渡良瀬遊水地
     左下・花2 2021年9月27日  東京都日野市
     右下・果実    同  上

  • 撮影記 :
     細い蔓が何十本も絡み合い葉を覆う姿に、下になった植物は寄生されたうえに日光まで遮られては可哀そうと思いつつカメラを向けた。
     ネナシカズラによく似た帰化植物で、花柱が2個あることや茎が細く、花がやや束生することなどが異なる。
     河原や草原で何メートルにわたって繁茂し、日本全土に帰化しているが、こんなに勢いのある植物であるにもかかわらず、どこにでもあるという訳ではないのは、何か自然の摂理が働いているのかと思う。

  • 果実

    同じ科の仲間の花
アメリカネナシカズラ2

花1

花2