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- 科名・属名 : フジウツギ科 フジウツギ属
注.APG分類ではゴマノハグサ科(SUROPHULARIACEAE)、学名変わらず
- 特徴 :
高さ1.5〜3mの落葉低木。逸出帰化or自生。
茎は稜がなく、断面は円形。若枝には密に柔らかい星状毛がある。
葉は対生、葉身は狭卵形〜狭長楕円形、長さ8〜17cm、幅2〜5.5cm。先は尾状にとがり、基部はくさび形、縁には先のやや尖る鋸歯が多数ある。表面は無毛、裏面は柔らかい星状毛が密にあり、白っぽく見える。葉の基部の節上に半円形の托葉状の突起がある。
花は枝先に円錐花序となり、直立または斜上し、一方に偏って多数の花をつける。花冠は淡紅紫色、筒状で長さ10〜12mm、先は開いて4裂し、裂片は円形で長さ1.5〜2mm。外面に腺点が疎らにまたは密に生え、星状毛は疎ら。萼は筒状鐘形、長さ約3mm、幅約1mm、裂片は狭卵形で先が尖り、やや長く柔らかい星状毛が生える。
果実(刮ハ)は長楕円形で先は尖り、長さ4〜5mm、幅約1mm。種子は線形で長さ約2.5mm、両端は細く尖る。
- 分布・生育地 :
逸出帰化(中国原産)、但し本州(中部、岡山県)、九州(佐賀県)は自生の考え有 (国外:中国、ヒマラヤ) 歩道やブロックの隙間(自生のものは石灰岩地の河原、河川敷)
- 花期 : 7〜9月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 1999年9月12日 長野県上伊那郡 中上・全体2 1995年9月2日 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・花序 1999年9月12日 同 上 左下・花 2022年9月4日 長野県下伊那郡 右上・葉(表)、右下・葉(裏) 同 上
- 撮影記 :
南アルプスの一角、山深い沢沿いに紅紫色のこの花が生えていた。
帰って調べると中国原産の花で国内では逸出帰化しているとのことだった。
しかし、滅多に人が入り込まないような山奥、沢沿いだけでなく岩場にも生えている花がとても逸出帰化とは思えなかった。
その後「長尾県植物誌」で、この花の国内生育地を調べた栃木の古瀬氏が、国内自生地は全て石灰岩地にあり、中国やヒマラヤの自生地と同環境にあることから隔離分布か石灰岩地の遺存種ではないかとの考え方が示されていて、納得できた。
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