ミズビワソウ(水枇杷草)

Cyrtandra cumingii


ミズビワソウ1


  • 科名・属名 : イワタバコ科 ミズビワソウ属

  • 特徴 :
     草丈2〜3mの低木。
     茎は緑色の草状で、直立し、若いうちは軟毛があるが、後無毛。
     葉は対生、葉身はややゆがんだ長楕円形、長さ30〜40cm、幅10〜16cm。先は鋭く尖り基部はシダに狭くなって柄に続き、側脈は13〜18対で裏面で目立つ。質は洋紙質、両面無毛。葉柄は太く、長さ4〜5cm。
     花は葉腋に短い集散花序を出し3〜8花つける。花柄は太く、長さ1〜1.5cm。苞は膜質、卵状長楕円形で縁には少数の歯牙があり、対生するか合着し、長さ2〜3cm。小花柄は短く、長さ2〜5mm。花冠は白色、筒状で先は広がって唇形になり、長さ約2.5cm。上唇は浅〜2深裂し、下唇は3深裂し、裂片の縁は襞状。雄しべは2個、花筒の下側基部につき、しばしば上側に2本の仮雄しべがある。子房は卵形〜披針形、長さ約2cm、基部は襞状の花盤に包まれ、先は糸状の花柱になり、長さ約5mm、柱頭はへら形に広がり、2裂する。萼は短い筒状で、長さ5〜6mm、中ほどまで2裂し、裂片は長楕円形で先は平たく、縁には2〜3個の歯牙がある。
     果実(液果)は長楕円形で、長さ1.5〜2cm、熟すと白くなる。種子は微小で多数あり、楕円形で長さ0.3mm、表面は滑らか。

  • 分布・生育地 :
     沖縄(西表島) (国外:フィリピン(バタン島))
     常緑樹林下の湿った所

  • 花期 :  6〜8(〜10)月

  • 撮影月日・場所 :
    上・全体1 2009年9月26日  沖縄県西表島
    中上・全体2 2006年10月10日    同  上
    (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
    中下・花 2009年9月26日    同  上
    左下・果実(液果) 2006年10月10日    同  上
    右下・葉 2009年9月26日    同  上

  • 撮影記 :
     沢沿いの湿った林下で何度か株を見たが、花期には遅く花は見つからなかった。
     花弁が虫に食われていた花しかアップできていなかったが、2009年、やっとまともな花に出会えた。
     この花は一体いつ咲くのかはっきりしない。2月〜10月のいずれも花を見たとの記録もあるが、同じ時期に同じ株を見ても年によってバラバラだ。
     概して南の島の花は花期とは思えないときにも満開の状態もあり、いつも悩まされる。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
ミズビワソウ2

花

果実(液果)