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- 科名・属名 : イワタバコ科 シシンラン属
- 特徴 :
草丈20〜50cmの着生の小低木。
茎は細長く、太さ2〜3mm、灰褐色で無毛。
葉は対生または3〜4個が輪生、葉身は長楕円状倒披針形〜倒披針形、長さ2〜7cm、幅0.6〜2cm。先は鈍く、基部は鋭形で葉柄に流れ、縁には少数の尖った鋸歯がある。質は厚い革質で、裏面は1本の中脈が目立ち、無毛。
花は上部の葉腋から短い花序を出し、1花つける。花柄は長さ1〜1.5cm、中部には早落性の小さな苞がある。花冠は筒形で先は唇形、白色〜淡紫色を帯びた白色、長さ2.5〜3cm。上唇はやや短く2裂し、下唇は3裂。雄しべは2個、花冠内にあり、花筒の上側につき、下側に2個、時に3個の仮雄しべがある。花糸は糸状、葯隔の基部に葯より長く飛び出す付属体がある。子房は線形、長さ約2cm、基部は環状の花盤に囲まれ、上部は次第に細い花柱に続き、花柱は長さ0.8〜1cm。柱頭は小さく2裂する。萼は5深裂し、裂片は線状披針形で尖り、長さ約3mm。
果実(刮ハ)は長い線形で、長さ4〜7cm、幅約2.5mm。種子は紡錘形、長さ約0.8mm、両端に種子とほぼ同長の細い付属体がある。
- 分布・生育地 :
本州(伊豆半島、京都府以西)〜九州 (国外:日本固有) 樹幹の苔の中に着生
- 花期 : 7〜8月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2007年8月24日 鹿児島県屋久島 中上・全体2、以下全て 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
- 撮影記 :
一抱えもありそうな大木を回り込むと、目の高さに白い花が見えた。
「間に合った」、前年花は終わり悔しい思いをしただけに、今年こそはと期待していたのだ。
ただ少し遅めで花は少なく、果実(刮ハ)(左下の写真)になっている株が多かった。
暗い樹林下、わずかな風にも揺れる花の撮影に思いのほか時間がかかった。あたりを探すと双眼鏡で確認するような高所には点々と白い花が見られた。
大木の樹幹に着生するこの花、自生地ではそれほど少なくない花であるが、フィルムカメラの絵になるような距離で見つけることは難しい。
ここは人目には触れにくい場所であるが、これからも島を訪れたときには目を楽しませて欲しいと願わずにはいられなかった。


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