ヒゴタイ(平江帯)Echinops setifer |
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草丈30〜100cmの多年草。 茎は堅くて太く、上部で分枝する。 葉は互生し、長い柄があり、長楕円形で羽状深裂すろ。縁に刺状の鋸歯があり、裏面にはくも毛があって白い。 頭花は枝先につき、紫色〜淡紫色の筒状花が集まって径5cm程度の球状の花序となる。 本州(愛知、岐阜、中国地方)、九州 やや乾いた草原 1994年9月2日 大分県 中 2006年7月30日 長崎県 下・左 1994年9月2日 大分県 下・右 2006年7月30日 長崎県 紫色の球が草原から点々と突き出しているのが見える。その先にはそそり立つ山、想像していたとおりの光景が広がっていた。以前、これと同じ構図の写真を図鑑で見て以来、この場所だろうと推測していたのだ。 大陸性の遺存種で愛知県や中国地方にも分布しているものの、九州の高原がこの花の本場だ。特に、春、山焼きをおこなう所では潅木が育たないため、草原性のこの花に最適の環境が保たれている。 ただ、その美しさ故、掘り取られることも多く、多くの地で激減しているという。こんな光景にはもう出会えないかもと、アザミのような鋭い刺を持つ葉に苦労させられながらも、思う存分撮影した。 後日、長崎県のある島でこの花に出会った。九州本土では高原の花が、ここでは海岸に咲いていた。花期も1ヶ月近く早いうえ、色も淡くまるで別の花のようだった。 同じ科の仲間の花 |
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