イナトウヒレン(伊那唐飛廉)

Saussurea inaensis


イナトウヒレン

  • 科名・属名
  • : キク科 トウヒレン属

  • 特徴

  •  草丈60〜90cmの多年草。
     根出葉や下部の葉は、線状披針形で、葉柄を含み長さ15〜20cm。茎葉も線状披針形で、縁は全縁かまばらに小さな鋸歯があり、基部はわずかに茎に沿下する。
     頭花は密な散房状になり、2〜6個つく。花冠は紅紫色で、長さ10〜11mm。総苞片は長さ11mm、総苞片は6列で縁は紫色、外片は卵形。

  • 分布・生育地

  •  本州(長野県)  蛇紋岩地

  • 花期
  • : 9月

  • 撮影月日・場所

  •  2009年9月19日 長野県下伊那郡
     中・総苞、下・葉   同 上

  • 撮影記

  •  長野県の南部の蛇紋岩地帯にだけ希産するというこの花、花仲間の情報を頼りに現地に向かった。
     地図を見ると一本道、簡単に行き着けるだろうと、次の撮影地の予定まで頭に描いていた。
     しかし、悪路をどこまでも進んでもそれらしき場所に行き当たらない。そのうち一本道のはずが分枝している場所まで来てしまった。
     行き過ぎたと戻りつつ、時々車を止めて探すが全くそれらしき花は見当たらない。30分の予定が3時間以上たっても収穫なし。
     再度情報を確認し直して探し、やっと蛇紋岩地でこの花を見つけた。何と地図にない新しい道ができていたのだ。山ではよくあることであるが。
     細く長い葉、基部はわずかに茎を抱き、総苞も細長く、他の仲間と雰囲気が異なる。あたりを探したが、その場所以外には全く見当たらず、希産種という記述が納得できた。

    同じ科の仲間の花
総苞

葉