イワキヒメアザミ(磐城姫薊)

Cirsium yuzawae


イワキヒメアザミ1

  • 科名・属名 : キク科 アザミ属

  • 特徴 :
     草丈70〜240cmの多年草。
     茎は斜上し、中部から分枝し、枝は鋭角的に少し伸びるかほとんど伸びず、上部に褐色の毛が疎らにある。
     根出葉は花時には枯れ、茎葉は卵形〜広楕円形、長さ22〜40cm、幅6〜28cm、羽状に深裂し裂片は5〜7対となるか稀に全縁。質は草質、時に脈に沿って白班があり、両面とも無毛、やや無柄で半分程度茎を抱く。刺は長さ5〜10mm、鋭く直立する。中部と上部の茎葉は羽裂するか鋸歯縁。
     頭花は3〜4個が総状につくか単生し、点頭して咲き、花柄は長さ1〜6.5cm。花冠は長さ17〜20mm、淡紅紫色で狭筒部は広筒部より長い。総苞は長さ約16mm、径6〜8mm、緑色で疎らにくも毛がある。総苞片は11〜12列、下半部が圧着し、上半部は斜上〜開出する。総苞外片は卵形で鋭尖頭、内片の1/9以下、粘らない。
     痩果は長さ3.5〜4mm、灰色掛かった象牙色。冠毛は長さ11〜15mm。

  • 分布・生育地 :
     本州(福島県) (国外:日本固有)
     低山の夏緑林の林縁、林間の草地

  • 花期 :   9〜10月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2017年10月9日  福島県双葉郡
     中1・全体2、以下全て    同  上
     (上、中1は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     東北大震災の原発事故で避難地域になり、やっと避難指示が解除されたばかりの福島県の山中、この花があると聞いてやってきた。
     途中の民家は人の住んでいるのは何軒かに1軒、田畑は耕作されずぼうぼうと草が茂っている。事故以前は普通の生活があったと思うと胸が痛む。
     林縁にアザミが見えた。教えてもらっていなければ間違いなくパスしていただろう、全く普通のアザミだった。
     最新の図鑑によると、中部の茎葉が羽状深裂し、葉の下面が淡緑色。総苞片は11〜12列、開出して粘らず、縁に小さな刺がないのが特徴とされている。
     最近、アザミ類は細かく分類され数多くの種が発表されているが、正直言ってよくわからない。

  • 葉(表)

    葉(裏)

    葉基部

    葉の刺

    同じ科の仲間の花
イワキヒメアザミ2

花序

花

総苞