カワラノギク(河原野菊)

Aster kantoensis


カワラノギク1

  • 科名・属名
  • : キク科 シオン属

  • 特徴

  •  草丈50〜70cmの多年草。
     茎は叢生し、上部でよく分枝し、短毛がある。
     葉は根出葉や下部のものは花時には枯れ、中部の葉は線形で、長さ6〜7cm、幅3〜5mm。先は鋭頭で、基部にかけて段々狭くなる。
     頭花は枝先に散房状または円錐状に多数つき、径3.5〜4cm。舌状花は白色〜淡紫色で、総苞片は2列、線状披針形で先は鋭頭。筒状果の冠毛は長さ6mm。
     そう果は倒卵形で扁平、長さ約3mm。冠毛は帯赤色で、長さ4〜5mm。

  • 分布・生育地

  •  本州(関東〜静岡県東部)  河原

  • 花期
  • : 10〜11月

  • 撮影月日・場所

  •  1994年10月23日 東京都羽村市
     上は拡大写真あり(写真をクリック)
     中、下・花   同 上

  • 撮影記

  •  雲一つない秋空、川面を渡る風も心地よく、まさにハイキング日和だ。河原にはバーベキューに興じる家族連れの姿も目立つ。
     丸石と砂利の交じる小高い河原、といっても増水時には濁流に浸かるような河川敷に、今を盛りに野菊が咲いていた。増水時にも耐えられるよう、葉は細い線形になっている。
     わざわざこんな場所にと思うが、洪水による表土の入れ替えや、邪魔な草本の排除がこの花には必要なようで、安定した河川敷では他の植物に負けて消えてしまうようだ。
     河原に生える何の変哲もない野菊であるが、関東や静岡県の一部河川にしか生育しない希少な植物のうえ、減少が著しく保護する会が各地にあるほどだ。

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カワラノギク2

花