センボンヤリ(千本槍)

Leibnitzia anandria


センボンヤリ1(春型)

  • 科名・属名 : キク科 センボンヤリ属

  • 特徴 :
     草丈は、春型で5〜15cm、秋型で15〜35cmの多年草。
     葉は根出葉がロゼット状になり、春型の葉は卵形〜倒卵状長楕円形、長さ2〜6cm、幅1〜3cm。頭大羽状分裂し、裏にクモ毛が密生する。秋型の葉は卵形〜長楕円形、長さ6〜15cm、幅3〜6cm。頭大羽状に中裂する。
     頭花は、春型は1〜数個出る花茎の先に1個つき、白色で径約1.5cm、小花の裏側は紫色を帯びる。総苞は鐘形で長さ約8mm。秋型は数個出る花茎の先に閉鎖花を1個つけ、円柱形〜円錐形、長さ約1.5cmの総苞に包まれた筒状花だけからなる。花茎には多数の線形の小さな葉があり、疎らにクモ毛がある。
     果実(痩果)は春型では紡錘形でやや扁平、長さ5〜6mm、冠毛は淡褐色で長さ5〜7mm。秋型では長さ6〜7mm、冠毛は褐色で長さ10〜12mm。
     別名 ムラサキタンポポ

  • 分布・生育地 :
     北海道〜九州 (国外:朝鮮、中国、台湾、サハリン、ウスリー、東シベリア)
     山野や丘陵

  • 花期 :   春型4〜6月、秋型9〜11月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1(春型) 2014年4月9日  東京都あきる野市
     中1・全体2(春型) 1980年5月11日  群馬県桐生市
     中2・花(春型) 2014年4月9日  東京都あきる野市
     中3・全体(秋型) 2007年9月20日 神奈川県秦野市
     (上、中1、中3は拡大写真あり、写真をクリック)
     中4・花(秋型) 2017年10月5日  東京都八王子市
     左下・冠毛(秋型)、右下・葉(秋型)    同  上

  • 撮影記 :
     この花には、春に咲く春型と、秋に咲く秋型の2形がある。
     春型の花は花弁が開き花らしいが、秋型の花は槍の穂先のような閉鎖花である。
     和名の千本槍は、多数の花茎を立てた秋の閉鎖花を千本の毛槍に見立てたものである。指してつけられたものだろう。
     別名のムラサキタンポポは春型の花弁の裏側が紫色を帯びることによる。
     春型の花は山野の日当たりのいい場所でよく見られるが、そんな場所にはスミレ類も多く、主役のスミレを撮影したカットにこの花が混じって写っていることが多い。

  • 葉(秋型)

    同じ科の仲間の花
センボンヤリ2(春型)

花(春型)

センボンヤリ(秋型)

花(秋型)

葉(秋型)