タイシャクアザミ(帝釈薊)

Cirsium taishakuense


タイシャクアザミ

  • 科名・属名
  • : キク科 アザミ属

  • 特徴

  •  草丈1〜1.5mの多年草。
     根出葉は花時にも枯れず、楕円形で長さ50〜70cm、幅20〜30cm。羽状に中裂し、裂片は4〜7対、縁の刺は5〜6mm。表面は黄緑色で光沢がある。
     頭花は枝先に点頭し、紅紫色で径4〜4.5cm。総苞は偏球形で、幅約3.5cm、外片は線状披針形、内片は卵状披心形で、上部は開出する。

  • 分布・生育地

  •  本州(広島、岡山県)  石灰岩地

  • 花期
  • : 9〜10月

  • 撮影月日・場所

  •  2012年10月6日  広島県帝釈峡
     中・総苞、下・葉   同 上

  • 撮影記

  •  広島県の東北部に位置する帝釈峡は、石灰岩地帯を刻んで流れる美しい渓谷で、国定公園にも指定されている。
     川沿いの遊歩道を歩くと、奇岩景勝だけでなく植物相も面白く、春から秋まで多くの植物に出会える。
     春には何度か訪れたことがあったが秋は初めて、大きな頭花を下向きに咲かせるこのアザミが出迎えてくれた。
     全体に豪壮で刺も鋭く、花時にも枯れない根出葉の大きさといったらびっくりするほどだ。
     この葉の大きさが「テリハアザミ」とは異なるとして、国立科学博物館の門田先生は「日本のアザミ」の中で「タイシャクアザミ(新称)」として新しく発表された。
     そうなると、これまでの「テリハアザミ」は九州のごく一部にしか生育していないことになるようだ。

    同じ科の仲間の花
総苞

葉