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- 科名・属名 : キツネノマゴ科 ハグロソウ属
- 特徴 :
草丈20〜50cmの多年草。
茎は疎らに分枝して直立し、短毛が散生する。
葉は対生し、葉身は狭卵形〜卵状長楕円形〜広披針形で、長さ2〜10cm、幅1〜2.5cm。先は鈍く、基部は鋭形で全縁。表面は暗緑色、両面脈上に短毛があるほかは無毛。葉柄は長さ2〜10mm。
花は枝先や上部の葉腋から長さ5〜15cmの花柄を出し、その先に2枚の葉状の苞がつき、その中に2〜3個(普通1個)花をつける。花冠は紅紫色で長さ2cm、上下2個の唇弁からなり、上唇は狭卵形で先は3浅裂、反曲し、長さ5mm、幅4mm。下唇は楕円形で長さ約6mmと下唇の方が大きい。
苞は1個は大きく、卵形で長さ1.3〜2cm、幅0.7〜1.3cm、もう1個は小さく、卵状楕円形で長さ1〜1.5cm、幅4〜8mm。小苞2個はごく小さい。萼は長さ4〜5mm、裂片は線状披針形で細く尖り、上の1個はたよりやや大きい。
果実(刮ハ)は根棒状、長さ9〜12mm、やや密に短毛がある。
- 分布・生育地 :
本州(宮城県以南)〜九州 (国外:朝鮮(南部)、台湾、中国(中部)) 山地の木陰
- 花期 : 8〜10月
- 撮影月日・場所 :
上・全体 2003年8月10日 埼玉県入間郡 (上は拡大写真あり、写真をクリック) 中・花序 2001年9月1日 東京都高尾山 左下・花 2017年7月20日 神奈川県箱根 右下・葉 同 上
- 撮影記 :
葉が黒っぽい緑色をしているということで和名が付けられているが、黒いというほどでもない。
それよりも、少し沈んだ葉の色と鮮やかな紅紫色の花とのコントラストは、やや暗い林下ではハッとするほどの美しさがある。
花がそんなに大きくないのが残念ではあるものの、そのことでごく普通に目にすることができる花になっているのかもしれない。
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