ミヤコジマソウ(宮古島草)

Hemigraphis okamotoi


ミヤコジマソウ1

  • 科名・属名 : キツネノマゴ科 ヒロハサギゴケ属
     注.APGV分類では、属名はイセハナビ属(Strobilanthes)で 、学名(S. reptans)。
     また、正式和名はヒロハサギゴケとしている。

  • 特徴 :
     草丈1〜7cmの多年草。
     茎は地を這い、やや密に白毛が生え、節から根を出して増える。
     葉は対生、葉身は卵状円形、長さ1〜3cm、幅0.8〜2.5cm。先は円く、波状の鋸歯がある。両面に結晶が目立ち、葉柄とともに長い白毛がまばらにある。葉柄は3〜15mm。
     花は茎頂に穂状花序を出し、3〜5個つく。苞は倒披針形で先は円く、長さ7〜10mm、幅2〜3mm、基部のものは葉状。花冠は筒状で白色、長さ1.5cm。先は漏斗状に広がり5裂し、裂片は広楕円形、外側にまばらに軟毛がある。萼片は線形で細く尖り、長さ8〜10mm、幅0.6〜0.8mm、疎らに軟毛がある。雄しべは4個。
     果実(刮ハ)は長さ7〜8mm、幅約1.2mm。種子は扁平な円形、径約1.5mm。
     別名 ヒロハサギゴケ

  • 分布・生育地 :
     沖縄(宮古島) (国外:台湾(蘭嶼)、フィリピン、マレーシア、インドネシア、オ‐ストラリア、太平洋諸島)
     海岸の石灰岩上

  • 花期 :   6〜8月(花期以外でも咲く)

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2006年8月5日  沖縄県宮古島
     中上・全体2、以下花    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     右上・葉(表) 2021年3月15日    同  上
     右下・葉(裏)    同  上

  • 撮影記 :
     平成18年春、宮古島を訪れこの花を見たが、前年連続して襲った台風のせいか、ほぼ1年中見られるはずの花は、やや萎みかけた花がわずかについているだけであった。
     その年の夏、再度挑戦した。咲いているはずとの確信はあったが、予想通り今度は一杯咲いていた。
     花は白いと図鑑にはあるが、中上や左下の写真のようにやや紫色を帯びたものもあり、互いに場所を違えて咲いていた。
     宮古諸島には他にも産地があるとの記述はあるが、いずれにしても自生のものは非常に少ない。
     また、科・属蘭の注にも書いたが、以前はミヤコジマソウが正式和名だったが、APGV分類では、ヒロハサギゴケが正式和名とされた。

  • 葉(表)

    葉(裏)

    同じ科の仲間の花
ミヤコジマソウ2(やや帯紫色)

花1

花2(やや帯紫色)