ホウライカガミ(蓬莱鏡)

Parsonsia laevigata


ホウライカガミ

  • 科名・属名 :
     キョウチクトウ科 ホウライカガミ属
     注.APG分類では、学名(P. alboflavescens)

  • 特徴 :
     長さ3〜5mになるつる草。
     茎の基部はやや木質化し、無毛で若い茎は灰褐色を帯びる。
     葉は対生し、楕円形〜広楕円形、長さ6〜8.5cm、幅3〜6.5cm。先は円頭〜鈍頭〜微凹頭、基部は円いかやや尖り、全縁。質は厚い革質、裏面に葉脈の側脈が隆起する。
     花は茎頂または葉腋に集散花序をつくり、二又または三叉状に分枝し、花冠は淡緑黄色で径5〜7mm、5深裂し、裂片は長楕円形。雄しべは5個、円筒状にくっついて花冠から突出する。萼は径約2.5mm、裂片は卵形で、長さ約1mm、縁と背に微毛がある。花柄は長さ約3mm。
     果実(袋果)は細長い円筒形で2つに分かれ、長さ7〜10.5cm、幅1cm、無毛。種子は長さ約1cm、先端に冠毛状の長い毛がある。

  • 分布・生育地 :
     九州(喜界島、徳之島)〜沖縄 (国外:台湾、マレーシア、インド)
     海岸近くの岩礁上や林縁

  • 花期 :   4〜10月?

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体 2004年7月12日  沖縄県西表島
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中上・花序    同  上
     中下・花 2017年9月2日  沖縄県石垣島
     左下・果実、右下・葉    同  上

  • 撮影記 :
     南西諸島の海岸の近くの林縁などで見かける大型のツル性の植物で、目立たない黄緑色の花がまとまって咲く。
     地味な花であるが、蝶愛好家にはオオゴマダラという蝶の食草としてよく知られている。
     小さいころは昆虫少年で蝶が好きだったので、図鑑で見る姿や風に舞う新聞紙のように飛ぶという記述をみるにつけ心躍る蝶であった。初めて優雅に飛ぶその姿を見たときはやっと古くからの友に会えたような懐かしさを感じた。
     余談になるが、成虫だけでなく蛹も黄金色をしていて人気があり、飼育して増やそうとしている島もある。

  • 葉

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花序

花

果実