ヒメタムラソウ(姫田村草)

Salvia pygmaea


ヒメタムラソウ1


  • 科名・属名 : シソ科 アキギリ属
     注.APG分類では、学名(S. pygmaea var. pygmaea)

  • 特徴 :
     草丈5〜30cmの多年草。
     葉はロゼット状に広がり、頭大2回羽状複葉で、長さは葉柄も含め、長さ5〜14cm。小葉はやや細かく羽状に中裂し、頂小葉は倒卵形〜倒披針形、長さ0.5〜2.5cm、基部はくさび形で、縁に疎らに欠刻状の鈍鋸歯がある。側小葉は倒卵状くさび形、先は鋭頭で縁は疎らな歯牙縁か全縁、裏面脈上に細毛がまばらに生える。
     花は茎の上部に穂状花序となり、5〜15段の輪生状に唇形花をそれぞれ2〜5花つける。花冠は白色でやや紫色を帯びる場合もあり、長さ4〜5mm、上唇じは2裂、下唇は3裂し、中裂片は即裂片より大きい。萼は5歯があり、上歯は2裂、下歯は3裂、花時で約2mm、果時で長さ3.5〜4.5mm。雄しべ花柱は花冠から著しく突出する。
     果実(分果)は長楕円形でやや扁平、緑褐色で、長さ約1.5mm。

  • 分布・生育地 :
     九州(奄美大島以南)〜沖縄 (国外:日本固有)
     渓流沿いの岩上や湿った場所

  • 花期 :  3〜6月(沖縄ではほぼ1年中?)

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2005年11月6日  沖縄県西表島
     中・全体2 2003年12月14日    同  上
     (上、中は拡大写真あり、写真をクリック)
     左下・花 2005年11月6日    同  上
     右下・葉 2023年7月17日  鹿児島県奄美大島

  • 撮影記 :
     南西諸島の原生林下を流れる沢沿いは、ハブも怖いが花も多い楽しい場所である。
     そんな沢沿いのコケの上や岩の隙間でこの花はよく見られる。
     木漏れ日を浴びて輝く小さな白い花は、タムラソウの名の通り、本州にあるこの仲間と同じ花の形をしているが、小さいというだけでなく、咲く場所のせいもあってか、より一層可愛く見える。
     図鑑には花期が3〜6月と記されているが、いついってもわずかながらこの花は咲いていて、ピークはともかく花期ははっきりしない。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
ヒメタムラソウ2

花