イブキジャコウソウ(伊吹麝香草)

Thymus quinquecostatus


イブキジャコウソウ1

  • 科名・属名 : シソ科 イブキジャコウソウ属
     注.APG分類では、学名(T. quinquecostatus var. ibukiensis)

  • 特徴 :
     草丈3〜15cmの小低木。
     茎は細く地上を這って分枝して先は立ち上がり、枝には曲がった短毛がある。
     葉は卵形〜狭卵形で長さ5〜10mm、幅3〜6mm。先は鈍頭、基部はくさび形で全縁。基部近くの縁に疎らに長毛があり、両面に朱赤色の腺点がある。
     花は枝先に穂状に短い花穂を作って唇形花を密につけ、花冠は紅紫色、両性株で長さ7〜8mm、雌株で5〜6mmと2種類がある。唇形花の上唇直立し、凹頭、下唇は3裂して開出する。萼は唇形で長さ4〜5m。
     果実(分果)はやや扁平、長さ約0.7mm。

  • 分布・生育地 :
     北海道、本州、九州(北部) (国外:朝鮮、サハリン)
     高山〜低山の岩場や乾いた草地

  • 花期 :   6〜8月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1987年8月9日  滋賀県伊吹山
     中上・全体2 1996年6月23日  島根県立久恵峡
     中中・全体3 1995年8月5日  長野県高峰高原
     (上、中上、中中は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花1 2014年7月11日  北海道知床半島
     左下・花2 2018年6月16日  長崎県平戸市
     右下・葉 2014年7月11日  北海道知床半島

  • 撮影記 :
     初めてこの花を見たのは北岳で、カーペットのように咲いていた。高山植物の図鑑には必ずといっていいほど載せられており、高山植物だとばかり思っていた。
     しかし、その後高原や海岸端の岩場でも見かけ、すっかり高山植物のイメージが狂ってしまった。
     名前でも間違って覚えるとその印象がなかなか消えず、覚え直すには時間がかかる。最初に正しく覚えることの大切さをつくづく感じる。
     滋賀県と岐阜県の境にある伊吹山で見つかったことが和名の由来で、一番上の写真はその伊吹山で撮影したもので、頂上を1周する遊歩道を歩くと見ることができる。

  • 葉

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花1

花2