ミカワタヌキモ(三河狸藻)

Utricularia exoleta


ミカワタヌキモ1

  • 科名・属名 : タヌキモ科 タヌキモ属

  • 特徴 :
     草丈(花茎)5〜15cmの浮遊性〜湿性の多年草。
     茎は細く、径0.2〜0.5mm、水中や泥上に横に伸び、よく分枝する。水深が深い場合は、糸状の茎や葉を地下に伸ばし固着する。
     葉は互生、2叉に1〜3回分枝し、極めて細い糸状の裂片になる。裂片は長さ5〜10mm、縁と先端に小さな刺毛がある。越冬芽は作らない。
     捕虫嚢は葉に小数つき、片卵球形で長さ1〜1.5mm。
     花は花茎の先に1〜3個つく。花茎には1〜2個の鱗片葉がある。花弁は黄色〜淡黄色、径5〜6mm、普通下唇に赤褐色の縞模様がある。距は前方を向き、下唇と同長かやや長い。萼は広卵形、長さ約2mm。
     花柄は花後長さ3〜6mmになり、斜上し多少曲がるが下垂しない。
     果実(刮ハ)は球茎、径約3mm。種子は扁平な円形、発達した翼があり、長さ約1mm。

  • 分布・生育地 :
     本州(関東〜近畿地方)〜沖縄 (国外:オーストラリア)
     ため池や湿地

  • 花期 :   8〜9月(沖縄では春から)

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2004年10月4日  沖縄県西表島
     中1・全体2 2019年5月10日    同  上
     中2・全体3    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中3・花(正面) 2004年10月4日    同  上
     中4・花(側面)下 2019年5月10日    同  上
     左下・果実、以下全て    同  上

  • 撮影記 :
     夏に出かけた花仲間から、滝沿いの小さな水溜りでこの花が咲いていたとの話を聞いた。
     10月では遅すぎるかなとは思ったが、教えられたあたりを探した。
     見つけられず帰ろうとした時、やっと小さな水溜りの泥上に、思ったより小さなこの花が1花だけ咲いていた。

     十数年後、細部の撮影をしようと当時の自生地を訪れたが、増水したらしく沢沿いの水溜りの植物は全て流されていた。
     あきらめていると、水草を撮影に訪れた休耕田に数多くの花が咲いていて大喜びした。
     水中の捕虫嚢もしっかり撮影でき、虫を取り込んで黒くなった捕虫嚢(右下の写真)も見つけた。

  • 葉・捕虫嚢

    虫を取り込んだ捕虫嚢

    同じ科の仲間の花
ミカワタヌキモ2

ミカワタヌキモ3

花1(正面)

花2(側面)