ハコネハナヒリノキ(箱根嚔の木)

Leucithoe grayana var. venosa


ハコネハナヒリノキ1

  • 科名・属名 : ツツジ科 イワナンテン属
     注.ハナヒリノキ属(Eubotryoides)の考え方もある。

  • 特徴 :
     高さ0.5〜1.3mの落葉低木。
     葉は互生し、葉身は楕円形〜長楕円形、長さ2〜6cm、幅1〜2cm。先は短く尖り、基部は円形〜浅心形、縁には長さ約1mmの長い毛がある。質は紙質、両面にやや硬い毛を散生し、脈は裏面に著しく突出する。
     花は新枝の先に長さ5〜15cmの総状花序を伸ばし、多数の花を下向きにつける。花冠は緑白色〜淡緑色、壷形で長さ約4mm、先は浅く5裂し、裂片は反曲する。雄しべは10個、花糸には軟毛が散生する。萼は5深裂し、裂片は三角状卵形で先は尖り、縁に腺状の短毛が散生する。
     果実(刮ハ)は扁球形で上向きにつき、径4〜5mm、熟すと5裂する。

  • 分布・生育地 :
     本州(神奈川、静岡県) (国外:日本固有)
     風当たりの強い岩場、礫交じりの草地

  • 花期 :   6〜7月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2001年7月7日  神奈川県箱根
     中1・全体2、中2・花序    同  上
     (上、中1は拡大写真あり、写真をクリック)
     中2・花1(側面) 2018年7月3日    同  上
     中3・花2(正面)、右上、右下・葉    同  上
     左下・果実 2018年8月31日    同  上

  • 撮影記 :
     北海道〜本州(近畿地方以北)に分布するハナヒリノキの変種で、葉がやや小さく、縁に生える毛がやや長いことが違いとされる。
     分布域は狭く、神奈川(丹沢、箱根)や静岡(富士、愛鷹山)だけに分布している。
     何度も通った箱根では、山頂付近の草地や岩場に張り付くように生えている。
     ただ、この花の咲く時期は梅雨時、下が晴れていても山頂付近はガスの掛かるうえ風も強い時が多く、いい条件で撮影するのは大変だ。

  • 葉(表)

    葉(裏)

    同じ科の仲間の花
ハコネハナヒリノキ2

花序

花1(側面)

花2(正面)

果実