キシツツジ(岸躑躅)

Rhododendron ripense


キシツツジ1

  • 科名・属名 : ツツジ科 ツツジ属

  • 特徴 :
     高さ0.5〜1.5mの半常緑低木。
     樹皮は灰黒色で、若枝には斜上する長毛と腺毛が生える。
     葉は互生し、春葉と夏葉のがあり、春葉の葉身は長楕円形〜披針形、長さ3〜5cm、幅0.8〜2cm。先は尖り、基部は鋭形、両面や縁には剛毛が生える。葉柄は長さ2〜3cm、褐色の斜上する長毛が密生する。夏葉は狭長楕円形〜倒披針形、長さ1.4〜4cmと春葉より小さく、質は厚い。
     花は枝先に1〜3個つき、花冠は淡紅紫色、広漏斗形で径4〜6cm、5中裂し、上側の裂片には濃色の斑点がある。雄しべは10本、花糸の下半部に粒状の突起がある。子房には長毛が密生する。花柄は長さ1〜1.5cm、やや密に長毛があり、腺毛も混じる。
     果実(刮ハ)は長卵形〜狭卵形、長さ8〜10mm。

  • 分布・生育地 :
     本州(中国地方)、四国、九州(大分県) (国外:日本固有)
     川岸の岩上

  • 花期 :   4〜5月

  • 撮影月日・場所 :
     2014年4月21日  徳島県三好市
     中上 1994年5月1日  高知県高岡郡
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花 2014年4月21日  徳島県三好市
     下左・花柄、下右・葉    同  上

  • 撮影記 :
     川岸のピンクのツツジの向こう、やや西に傾きかけた陽を写す四万十川が緩やかに流れていた。
     この時期、この花が見られると知り、少し遅い時間ながら足を伸ばしてきた甲斐があった。
     20年振りに出会ったこの花、今度は険しい渓谷が続く吉野川の上流の岩場に咲いていた。
     川岸の岩場に生えることからキシ(岸)の名がつけられたこのツツジ、まだ花も少ない春の川岸を彩ってくれる。
     残念ながら自生地は西日本の河川の限定、全国で見られないのが残念だ。

  • 葉

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キシツツジ2

花

花柄