クロウスゴ(黒臼子)

Vaccinium ovalifolium


クロウスゴ1

  • 科名・属名 : ツツジ科 スノキ属
     注.APG分類では、学名(V. ovalifolium var. ovalifolium)

  • 特徴 :
     高さ0.5〜1.5mの落葉低木。
     若枝は緑色でしばしば赤味を帯び、著しい稜があり、無毛。
     葉は互生、葉身は広楕円形〜広卵形、長さ1.8〜4.5cm、幅1〜3cm。先は鈍く、基部は広いくさび形、縁は全縁だが時に下部に1〜4個の小さな鋸歯がある。両面とも無毛、裏面は白っぽい。葉柄は長さ0.5〜1mm。
     花は新枝の葉腋に1個下向きにつき、花冠は壷形、緑白色で赤褐色を帯びるものが多く、長さ約5mm、先は浅く5裂し、裂片は卵形で反曲する。萼筒は広鐘形、先は輪状に広く開出する。雄しべは10本、花糸は無毛。花柄は長さ4〜7mm、無毛。
     果実(液果)は球形、径8〜10mm、先は浅く窪み、黒紫色に熟し、表面は白粉を帯びる。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜本州(中部地方以北) (国外:千島列島、北アメリカ(北部))
     亜高山帯の林縁、高山帯の低木林内

  • 花期 :   6〜7月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2003年8月2日  長野県中央アルプス
     中・全体2    同  上
     (上、中は拡大写真あり、写真をクリック)
     左下・果実 2018年8月4日  福島県吾妻山
     右下・葉    同  上

  • 撮影記 :
     中央アルプス千畳敷カール、高山植物が見られる高度までロープウェイで上がることができるため、夏山シーズンには多くの観光客で賑わう。
     ここでは色とりどりの高山植物が見られ、黄色や白の大きな花をつける植物に目を奪われるが、目立たない小さな花をツツジ科の花もひっそり咲いている。
     左上、中の写真はそこで撮影したものであるが、花冠が扁平になる「ミヤマクロウスゴ」というタイプで、図鑑によっては品種として扱っているものある。
     夏の終わりから秋にかけては黒紫色に熟した果実が見られ、花と違ってよく目立つうえ、味は甘酸っぱいが食べることができる。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
クロウスゴ2

果実