ムラサキツリガネツツジ(紫釣鐘躑躅)

Menziamultiflora var. purpurea or M. lasiophylla


ムラサキツリガネツツジ1

  • 科名・属名 : ツツジ科 ヨウラクツツジ属
     注.APG分類V、Wでは、ツツジ属(Rhododendron)、学名(R. multiflorum var. purpureum)

  • 特徴 :
     高さ50〜150cmの落葉低木。
     葉は互生し、葉身は倒卵形〜広楕円形、長さ2〜4cm、幅1.5〜2.5cm。先は短く尖り、基部は鋭形、縁は全縁。表面と縁には粗い毛がやや密に生え、裏面主脈には剛毛がある。
     花は枝先に2〜6個つき、花冠は筒形、濃紅紫色で長さ12〜16mm。萼筒の内面には白い毛が密生する。雄しべは10個、花糸には開出毛がある。萼は浅い皿形で5裂し、裂片の縁には長毛がある。花柄には長い腺毛や長毛があるが、腺毛や長毛だけのものもある。
     果実(刮ハ)は扁球形、ながさ約4mm。
     花冠が白色で先端が紅紫色を帯び、花柄や萼に腺毛がないものを、
     ハコネツリガネツツジ(f. bicolor)(左下の写真)と言い、
     葉の表面の毛がないまたは少ないものを、
     ●フジツリガネツツジという。

  • 分布・生育地 :
     本州(箱根、富士山周辺、御坂山地) (国外:日本固有)
     山地の岩礫地

  • 花期 :   5〜6月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2016年6月11日  山梨県
     中上・全体2、以下全て    同  上
     左下・ハコネツリガネ    同  上(上、中上、左下は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     体重が増えたため、大した登りでもないのに身体に応える。
     やっと緩やかな登山道になった明るい落葉林の中、濃赤紫色のツツジが目に入った。
     富士や箱根周辺だけに見られ、その可愛らしさからどの自生地でも盗掘が酷く、目にするのが難しいと言われるツツジだ。
     花の色は濃いものや薄いものまで色々変化があり、花冠が白色で先端が紅紫色を帯び、花柄や萼に腺毛のないものをハコネツリガネツツジ(左下の写真)という。
     しかし、最近発刊された「改訂版 日本の野生植物4」では、この写真を撮影した地域の花は、花柄の毛が短く、葉の表面の毛が少ない「フジツリガネツツジ(var. glabrescens)」としているので、これらの花は全てそれにあたるのかもしれない。

  • 葉1

    葉2(表)

    同じ科の仲間の花
ムラサキツリガネツツジ2

花1

花2(萼・腺毛)

ハコネツリガネツツジ