オオバスノキ(大葉酢の木)

Vaccinium smallii


オオバスノキ1


  • 科名・属名 : ツツジ科 スノキ属
     注.APG分類では、学名(V. smallii var. smallii)

  • 特徴 :
     高さ1〜1.5mの落葉低木。
     若枝にはやや稜があり、条をなして短毛が生える。
     葉は互生し、葉身は長楕円形〜楕円形、長さ1.5〜5cm、幅0.5〜2cm。先は尖り、基部はくさび形、縁には多くの鉤状に尖った細鋸歯がある。表面は無毛か脈上に曲がった毛が生え、裏面は主脈下部に曲がった短毛が生える。葉柄はごく短く、短毛がやや密に生える。
     花は前年枝の枝先に長さ1〜2cmの総状花序となって1〜4花つける。花冠は鐘形、紅紫色または黄緑色で紅紫色の筋が入り、長さ6〜7mm、先は浅く5裂し、裂片は広卵形で、先は鈍く反曲する。萼筒は鐘形で無毛、円みを帯び、先は広がって5裂する。花柄は長さ3〜6mm、無毛で下部に小さな小包葉があるが、早落する。
     果実(液果)は球形で径6〜7mm、黒熟する。

  • 分布・生育地 :
     北海道、本州(東北〜中国地方の日本海側)、四国(北東部) (国外:南千島、サハリン)
     深山の林縁、高山の低木林内

  • 花期 :  6〜7月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1979年7月1日  群馬県至仏山
     中上・全体2 2015年7月13日    同  上
     (上、中は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花    同  上
     左下・花2 2024年6月20日  群馬県尾瀬
     右上・葉(表) 2015年7月13日  群馬県至仏山
     右下・葉(裏) 2024年6月20日  群馬県尾瀬

  • 撮影記 :
     花の写真を撮影するといっても、草本を撮るのと樹木を撮るのでは目線の位置が違う。
     私の場合は、草本の花がメインなので下ばかり見て歩くため、樹の花が咲いていても見過ごしてしまう場合が多い。
     両方はとても無理であるが、この花は一息入れるために見上げた目前に咲いていた幸せな花(?)だ。
     最近樹木の花も撮影するようになったが、3十数年前この花を撮影した至仏山の同じ場所でまた咲いていたのには感動した。
     低山地に多いウスノキなどに比べると、花や葉がやや大きく、萼筒や果実が角ばらず、果実が黒熟することが異なる。

  • 葉(表)

    葉(裏)

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オオバスノキ2

花1

花2