チシマツガザクラ(千島栂桜)

Bryanthus gmelinii


チシマツガザクラ1

  • 科名・属名 : ツツジ科 チシマツガザクラ属

  • 特徴 :
     高さ2〜7cmの常緑小低木。
     茎は細く、分枝しながら匍匐して広がる。
     葉は1〜3年目の枝に密に互生、線形〜広線形、長さ3〜4mm、幅は縁が裏面に巻き込むので約1mm。質は厚く、裏面の中軸の両側に毛が密生し、それを覆って翼状の稜がある。
     花は枝先から花茎を伸ばし、総状花序に2〜10個つく。花冠は淡紅色で、皿状に広がり4裂し、径5〜6mm。雄しべは8個、葯は楕円形、子房は広卵形で4条の凹みがある。花柱は線形、柱頭は小さい。
     果実(刮ハ)は扁球形で4状の溝があり、裂開する。種子は広楕円形、細長い網目模様がある薄い皮がある。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜本州(早池峰山、八甲田山) (国外:千島列島、カムチャッカ半島)
     高山の雪渓脇の岩上、礫地

  • 花期 :   7〜8月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1981年7月21日  北海道大雪山
     中上・全体2 1992年8月23日    同  上
     中下・全体3(群生) 1981年7月21日    同  上
     (上、中上、中下は拡大写真あり、写真をクリック)
     左下・花、右下・葉    同  上

  • 撮影記 :
     広大な大雪山系のお花畑、チングルマエゾノツガザクラなどは単一の群落を作り、遠くからでも地面が黄色や赤色に見える。
     多くの種類が箱庭のように咲く本州のお花畑を見慣れた目には新鮮な驚きで、ついそちらに目が向いてしまう。
     そんなお花畑に目をとられていると、この花は目に入らなくなる。あまり群生することはないので気をつけて探さないと見つからない。
     それでも、中下の写真のように岩に沿って一列に並んでいる姿は、個人的には好きな咲き方である。

  • 葉

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チシマツガザクラ2

チシマツガザクラ3(群生)

花