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- 科名・属名 : ツツジ科 ツツジ属
- 特徴 :
高さ0.8〜1.5mの半常緑低木。
細かに分枝し、若枝には伏した平滑な剛毛が密生する。
葉は互生して枝先に集まってつき、春葉と夏葉があり、葉身は長楕円形〜狭楕円形、長さ5〜10mm、幅2〜4mm。先は尖って先端に腺状突起があり、基部はくさび形。質はやや薄く、表面や縁に長毛を散生し、裏面主脈上に伏した褐色で平滑な剛毛を散生する。夏葉は春葉よりやや小さく、先は円いか鈍く、越冬する。葉柄は0.5〜1mm、伏した平滑な剛毛が密生する。
花は枝先に1個ずつつき、花冠は漏斗形、淡紅紫色で径1.3〜1.5cm。5中裂し、上面裂片の内側に濃色の斑点がある。雄しべは5個、花糸の下半部に短毛が散生する。子房には長毛が密生する。
果実(刮ハ)は卵状長楕円形、長さ約5mm。
花の白いものがあり、
●シロウンゼン(f. album)(左下の写真)という品種となっている。
- 分布・生育地 :
本州(伊豆、紀伊半島)、四国(南部)、九州(大隈半島) (国外:日本固有) 山地の岩場、林縁
- 花期 : 4〜5月
- 撮影月日・場所 :
2003年5月4日 和歌山県東牟婁郡 中上 2016年4月16日 和歌山県新宮市 中下・花 同 上 下左・シロウンゼン 2004年4月18日 高知県安芸郡 (上、中上、下左は拡大写真あり、写真をクリック) 下右・春葉 2016年4月16日 和歌山県新宮市
- 撮影記 :
春先、伊豆や紀伊半島、四国(高知県)の林道を歩いていると、岩場や林縁に淡紅紫色の小さな花のツツジが咲いているのが目に入る。
この時期、同じような色をしたツツジの仲間が多数咲いているが、花がここまで小さいツツジはこれだけなのですぐにわかる。
花が小さいせいか、またあまり群落を作らないせいなのか、他のツツジほど目立った自己主張をしていない。
和名にウンゼン(雲仙)の名がつけられているが、雲仙地域には分布せず、本州〜九州の南部地域だけに分布している。
花が白いものはシロバナウンゼンツツジとは呼ばずシロウンゼン(下左の写真)というが、シロバナウンゼンツツジは瀬戸内海周辺に分布する花で、この花とは別物であるので注意が必要だ。
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