アワブキ(泡吹)

Meliosma myriantha


アワブキ1


  • 科名・属名 : アワブキ科 アワブキ属

  • 特徴 :
     高さ8〜12(〜15)mの落葉高木。
     幹は太いものでは径30cmになり、樹皮は緑色を帯びた紫灰色で、小さな楕円形の皮目が散生する。若枝は細く褐色で、汚黄褐色〜褐色の短い伏毛に覆われる。
     葉は互生、葉身は長楕円形、長さ10〜25cm、幅4〜8cm。先は鋭尖形、基部はくさび形〜やや鈍形、縁は先端が芒に終わる低い鋸歯がある。質は洋紙質で薄く、表面は脈上を除き無毛、裏面は淡緑色で全体に淡褐色の毛があり、脈上には密生する。葉柄は長さ1〜2cm。
     花は枝先に長さ15〜25cmの直立する円錐花序となり、径3mm程度の小さな淡黄白色の花を多数つける。花弁は5個のうち3個が大きく広卵形、2個は小さく線形。雄しべは5個、普通2個が完全、残り3個は仮雄しべで大きな花弁の基部につき、鱗片状で白く子房を包む。萼裂片は5個、広卵形。花序には毛が密生する。
     果実(核果)は球形で基部に花柱が残り、径4〜5mm、9〜10月に赤熟する。中に1個の種子が入る。

  • 分布・生育地 :
     本州〜九州 (国外:朝鮮、中国)
     丘陵地〜山地の林内

  • 花期 :  6〜7月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体 2019年7月11日  宮崎県霧島山麓
     中上・全体2 2023年5月22日  東京都八王子市1
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中中・花序、中下・花    同  上
     左下・果実(核果) 2023年10月7日    同  上2
     右下・葉 2023年5月22日  東京都八王子市1

  • 撮影記 :
     霧島山麓の神社の境内を歩いていると、屋根の向こうに白い花を一杯咲かせた樹の花目に入った。
     樹は大きく、斜面に生えているため花までの距離は20m近くあり、望遠で何とか撮影した。
     調べるとアワブキ(泡吹)という変わった名前の樹で、和名の由来はこの生木を燃やすと、切り口から盛んに泡が出るので泡吹と名付けられたようだ。
     高木の枝先に咲く花は、全体はともかく細部までしっかり撮影することは難しい。
     谷にかかる橋とか林道に伸びた枝など、花を側で見られる運のいい場面に出会えたいものだ。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
アワブキ2

花序

花

果実(核果)