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- 科名・属名 : バラ科 キイチゴ属
- 特徴 :
匍匐する常緑低木。
茎は細く小さな刺が疎らにあり、節から根を下ろす。
葉は単葉、葉身は円形ときに卵形で普通3〜5裂し、長さ2〜8cm。先は円頭、基部は心形、縁には不揃いな鋸歯がある。質はやや革質、表面は深緑色で裏面黄味がかった茶色でしわがあり、両面にしばしば直立する刺がある。葉柄は1〜4cm、刺がある。托葉は扇状に分裂し、膜質で綿毛があり、早落性。
花は茎頂に3〜5個が総状につくか稀に単生し、径2〜2.5cm。花柄は長さ2.5〜4cm、密に毛が生え、刺がある。花弁は5個、白色で倒卵形、長さ8〜10mm、幅7〜9mm。萼は5個、裂片は披針形〜披針状長楕円形、長さ1〜1.5cm、鋭頭で、外側には褐色の毛が密に生え、長い刺がある。雄しべは多数、葯は黄色。心皮は多数、花柱は糸状、子房は狭長楕円形。
果実(集合果)は赤熟する。
花弁が八重になる品種があり、
●ヤエザキアマミフユイチゴ(仮称)(左下の写真)という。
- 分布・生育地 :
九州(奄美大島、徳之島) (国外:日本固有) 山地の常緑樹林下
- 花期 : 5〜6月
- 撮影月日・場所 :
上・全体 206年6月11日 鹿児島県奄美大島 (上は拡大写真あり、写真をクリック) 中上・花 同 上 中下・果実(集合果) 2023年7月19日 同 上 左下・ヤエザキ 206年6月11日 同 上 右下・葉 2023年5月9日 同 上
- 撮影記 :
梅雨のわずかな晴れ間、亜熱帯の森は湿度が高く汗が滴り落ちる。
こんな日はハブがよく出没する。足元に注意しながら歩を進めると、林下に白い花が見えた。
地面に張り付いている割に花は大きい、奄美諸島特産のこの花に間違いない。
咲き具合のいい花をと林下を歩き回っていると、すっかりハブのことは忘れていた。
中には八重咲の花(左下の写真)も見られた。
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