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- 科名・属名 : バラ科 サクラ属
注.APG分類ではバクチノキ属、学名(Laurocerasua zippeliana)
- 特徴 :
高さ10〜15mの常緑高木。
幹は径30〜40(〜100)cmになり、樹皮は灰褐色〜灰黒色、平滑で外皮が鱗片状に剥れ、跡が紅黄色の特異なまだら状の斑紋になる。
葉は互生、葉身は長楕円形、長さ8〜14cm、幅4〜7cm。先は急鋭尖形〜鋭形、基部は円形〜広いくさび形、縁は裏面へ反り返り、内曲した腺状の鋭い鋸歯がある。質は革質、両面とも無毛、裏面は淡緑色。葉柄は長さ約1cm、上部に蜜腺がある。
花は新枝の葉腋から長さ2〜3cmの花序枝を出し、径6〜7mmの白色の花を穂状に多数つける。花序には葉はなく、褐色の毛を密生する。花弁は5個、円形、長さ約2mm、花時には平開する。萼片は卵形、長さ約1.5mm、縁には歯牙状の突起がある。雄しべは30〜50個、長さ約3.5mm、花弁より長く突き出る。雌しべは長さ約4mm、花柱の先は頭状に膨らむ。
果実(核果)は歪んだ長楕円形、長さ1.5〜2cm、翌年の初夏に黒紫色〜紅紫色に熟す。
- 分布・生育地 :
本州(関東地方南部以西)〜沖縄 (国外:韓国(済州島)、中国(中南部)、台湾、ベトナム(北部)) 低山地〜山地の谷間、やや湿り気のある斜面
- 花期 : 9〜10月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2017年11月7日 沖縄県国頭郡 中上・全体2 2017年11月5日 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・花序 2017年11月7日 沖縄県国頭郡 左下・花序、以下全て 同 上
- 撮影記 :
バクチノキ(博打の木)という変わった和名は、樹皮が剥がれ落ちるのを、博打に負けて身ぐるみ剥がされるのに例えたとされている。樹皮が剥れる様子を博打の負けの状態に模する想像力に脱帽。
関東南部辺りにもあるようだが、初めて花を見たのは沖縄北部の林道脇だった。
白い花が咲いているのはわかるが、大木なので花の様子は望遠レンズを通して見ないとわからない。
サクラ属に分類されていたが、他のサクラ属とは大分様子が違うと思っていたら、最新のAPG分類ではバクチノキ属として分けられている。
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