ベニバナイチゴ(紅花苺)

Rubus vernus


ベニバナイチゴ

  • 科名・属名 : バラ科 キイチゴ属

  • 特徴 :
     高さ1〜1.5mの落葉小低木。
     茎は黄褐色を帯び、枝とともに刺がなく、幼枝には軟毛がある。
     葉は3小葉からなり、頂小葉は菱状広卵形、長さ幅とも3〜7cm。先は尖り、基部はくさび形、縁には欠刻状の重鋸歯があり、両面に疎らに毛があるか裏面脈上だけに毛が生える。葉柄は軟毛に覆われる。托葉は狭披針形で葉柄の基部につく。
     花は枝先に1個下向きに咲き、暗赤色〜濃紅色で径2〜3cmと大きい。花弁は5個、卵状円形で円頭〜凹頭となり、長さ1.5〜2cm、縁に小さな線があり、斜上して平開しない。雄しべは多数。萼片は卵状披針形で鋭頭、長さ1.5〜0.7cm、直立または花時にわずかに開出し、軟毛に覆われる。花柄は長さ3〜6cm、軟毛の覆われ腺毛も混じる。
     果実(集合果)は球形〜卵球形で、径約2cm、9月ごろ赤熟する。

  • 分布・生育地 :
     北海道(南西部)〜本州(中北部の日本海側)
     亜高山〜高山の林縁、沢沿い

  • 花期 :   6〜7月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体 2005年6月25日  秋田県駒ケ岳年
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中・花 2018年7月19日  長野県栂池
     左下・果実 1996年9月7日  長野県白馬岳
     右下・葉 2018年7月19日  長野県栂池

  • 撮影記 :
     高山の沢沿いなど湿った場所で見かけることが多い。
     下向きに咲く上に、ややしわを帯びた花弁は全開しないため、湿った場所では地面に寝転がって撮影するわけにもいかず苦労する。
     秋田駒ケ岳では、登山道の法面に咲いていて、花の中もしっかり見ることができた。
     赤く熟した果実は美味しそうに見えるが、食べると渋みが強いようだ。私はまだ食していないが。


  • 葉

    同じ科の仲間の花
花

果実