エビガライチゴ(海老殻苺)

Rubus phoenicolasius


エビガライチゴ1

  • 科名・属名 : バラ科 キイチゴ属

  • 特徴 :
     高さ2m程度のつる性の小低木。
     茎は斜上し、全体に紫赤色の剛毛と腺毛を密生し、疎らに扁平な刺がある。
     葉は互生し3(〜5)出複葉、頂小葉は大きく卵円形で時に3裂し、長さ幅とも5〜8cm。先は短尖頭、基部はやや心形、縁には2重欠刻状の鋸歯がある。表面は無毛かわずかに毛があり、脈上に疎らに刺と腺毛が生え、裏面は綿毛が密生し白色。側小葉は広卵形。
     花は枝先または葉腋につき、頂生するものは円錐状になり、径約1.5cmの花が数個集まってつく。花弁は淡紅紫色、さじ形で先はわずかに波打ち、基部には毛があり、長さ約4mm、花時には直立する。雄しべは約40個、長さは不同で、雌しべより短い。花柄は短く、長さ8〜15mm。萼裂片は披針形、長さ約7mm、外側には紅色の長い腺毛と短毛が密生し、花時に反り返る。
     果実(集合果)は球形で、径約1.5cm、8月ごろ赤熟する。
     別名 ウラジロイチゴ

  • 分布・生育地 :
     北海道〜九州 (国外:朝鮮、中国)
     山地の日当りのいい所

  • 花期 :   6〜7月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2008年6月28日  山梨県甲州市
     中上・全体2 2019年6月3日  鹿児島県霧島
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中中・花序 2008年6月28日  山梨県甲州市
     中下・花 2019年6月3日  鹿児島県霧島
     左下・萼、以下全て    同  上

  • 撮影記 :
     尾根筋から下ったあとは長い林道歩き、途中ゆっくり撮影してきたため、バスの時間が気にかかる。
     斜面を切り開いて作られた林道は、新しいらしく植物も少ない。それに車の通行が禁止されているせいか落石も多い。
     急ぎ足で歩いていると枝先の紅く染まったこの花に出会った。
     実は食べられるようだが、見るからに恐ろしげな感じの植物だ。

  • 葉

    葉(裏)

    茎

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エビガライチゴ2

花序

花

蕾