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- 科名・属名 : バラ科 サクラ属
注.APG分類V、Wでは、学名(Cerasus itosakura)
- 特徴 :
高さ15〜20mの落葉高木。
幹は径1m、太いものでは3mになる。
樹皮は暗灰褐色で、縦に浅く裂け、新枝には皮目が多く、軟毛がある。
葉は互生、葉身は長楕円形〜狭倒卵形、長さ3〜8.8cm、幅1.8〜4.5cm。先は鋭尖形、基部は広いくさび形で、葉身の基部に1対の蜜腺があり、縁には先が腺で終わる浅い鋸歯がある。表面には軟毛があり、裏面には脈に沿って開出毛がある。葉柄は長さ2〜2.7cm、上向きの毛がある。
花は葉の展開前に開花し、散形状に2〜5個つき、淡紅色〜白色、径1.5〜2cm。花弁は5個、楕円形〜倒卵形、基部は鈍形で先端に切れ込みがあり、長さ10〜12mm。雄しべは18〜27個、花柱よりやや短く、花糸には毛がない。子房は狭楕円形、花柱は子房より長く、下部には下向きの毛がやや密に生える。萼筒は紅紫色で円く膨らみ、上部が括れた壷形、萼裂片とともに開出毛が生える。萼裂片は披針形〜長楕円状披針形、縁には細かい鋸歯があり、花時には斜開する。花柄は長さ1〜1.4cm、開出毛を密生する。
果実(核果)は球形、径9〜10mm、5〜6月に黒紫色に熟す。
- 分布・生育地 :
本州〜九州 (国外:朝鮮(南部)、済州島) 山地
- 花期 : 3〜4月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2020年3月19日 東京都八王子市 中上・全体2、以下、中下・花を除き 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・花2 2020年3月19日 東京都高尾山
- 撮影記 :
幹の直径1mから時に3mくらいの大木になることが多く、「根尾谷の薄墨桜」など天然記念物や有名な古木の多くが本種とのことである。
本州の山地、大きな河川沿いの斜面などに生えることが多いが、栽培種のソメイヨシノの一方の親としても有名である。
東京都でも郊外の山裾のなどに自生が点々と見られ、寺社などにある樹(自生か栽培かは?)には、花見客も多い。
特徴は萼筒が円く膨れ、上部が括れた壷形の特徴ある形(下の写真)をしているので、ここを見れば間違えることはない。
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