クロバナロウゲ(黒花狼牙)

Comarum palustre


クロバナロウゲ1

  • 科名・属名 : バラ科 クロバナロウゲ属

  • 特徴 :
     草丈30〜60cmの多年草。
     根茎はやや木質化して長く這い、分枝して節から根を出す。
     葉は互生し、奇数羽状複葉で、5〜7個の小葉からなる。小葉は細い長楕円形〜狭楕円形、長さ3〜7(〜9)cm、幅0.6〜2(〜2.5)cm。先は尖り、基部はくさび形、縁には基部を除いて鋭鋸歯がある。表面は緑色〜薄緑色、裏面は帯白色でほぼ無毛か毛がある。頂小葉葉大きく、側小葉は徐々に小さくなる。葉柄は長さ5〜10cmで軟毛に覆われる。
     花は茎の先に集散花序に数個つき、暗紅褐色で径1.5〜2(〜2.5)cm。。花弁は5個、倒卵状披針形で鋭頭〜鋭尖頭、萼より短い。雄しべは20〜25個、花糸は糸状、葯は卵形で共に暗紫色。花床は半球形、淡褐色の毛が密生し、花後ふくらむ。萼は5個、萼片は狭卵形で鋭尖頭、長さ7〜15mmで毛が生え、内側は暗紫色。
     果実(痩果)は球状に膨らんだ花床に密生し、歪んだ卵形で平滑、紫褐色〜褐色、長さ約1.5mm。

  • 分布・生育地 :
     北海道、本州(東北、日光、尾瀬、北アルプス) (国外:北半球に広く分布)
     山地の湿原や湿地

  • 花期 :   7〜8月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1984年7月15日  群馬県尾瀬ヶ原
     中・全体2 1994年7月31日  福島県尾瀬沼
     (上、中は拡大写真あり、写真をクリック)
     左下・花    同  上
     右上・葉(表)、右下・葉(裏) 2018年7月19日  長野県栂池

  • 撮影記 :
     和名のクロバナロウゲを漢字で書くと黒花狼牙になり、どんなに恐ろしい花かと思うが、紫褐色で鋭く尖った花弁や萼片狼の牙に例えたもので、よく見ると可愛い花である。
     亜高山の湿地に生え、尾瀬でも原の草むらの中でポツポツ咲いている。

  • 葉(表)

    葉(裏)

    同じ科の仲間の花
クロバナロウゲ2

花