マメザクラ(豆桜)

Prunus incisa


マメザクラ1


  • 科名・属名 : バラ科 サクラ属
     注.APG分類では、サクラ属の学名は(Cerasus)

  • 特徴 :
     高さ3〜8mの落葉小高木。
     幹は径20〜30cmになり、樹皮は紫褐色〜暗灰色で、横に並んだ皮目が点在する。
     葉は互生、葉身は倒卵形〜卵形、長さ2〜5cm、幅1.5〜3cm。先は長く尾状に尖り、基部は円形〜鈍形、縁はやや鋭い2重鋸歯がある。両面とも伏毛があり、特に裏側では密生する。1対に蜜腺は葉身側につくことが多い。葉柄は長さ5〜9mm、斜上毛や伏毛がある。托葉は狭披針形、長さ4〜5mm。
     花は葉の展開前かほぼ同時に開き、前年枝の葉腋から1〜3個、散形状に下向きにつける。花は径1.6〜2cm、白色〜淡紅色。花弁は5個、倒卵形で長さ7〜12mm、幅6〜9mm。雄しべは約38個、花柱より短い。花柄は長さ1.2〜1.9mm、斜上毛が多い。萼は筒状鐘形、長さ5〜6mm、暗紅色を帯び、無毛。萼片は卵状楕円形、花時にはほぼ平開する。
     果実(核果)は球形〜扁球形、径約8mm、6月に黒熟し、果肉は甘い。
     別名 フジザクラ

  • 分布・生育地 :
     本州(関東〜中部地方の主に太平洋側) (国外:日本固有)
     丘陵、山地の林縁、明るい樹林内

  • 花期 : 3(下)〜5(上)月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1983年4月30日  山梨県三つ峠
     中上・全体2 2013年4月17日  神奈川県箱根
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花 2014年4月27日  静岡県伊豆半島
     下・萼 2024年5月15日  山梨県南都留郡

  • 撮影記 :
     本州の関東〜中部地方の主に太平洋側に分布しているが、富士山周辺に多いことから別名「富士桜」とも呼ばれる。
     サクラの代表のソメイヨシノに比べ、花が小振りで繊細な感じがするが、花の中心部の紅色が濃いので結構目立つ。
     春の花を捜しに富士山麓や箱根、伊豆に出かけるとよくこの花に出会うが、植栽されていないので桜並木にはならず、点々と咲いている。

  • 同じ科の仲間の花
マメザクラ2

花

萼