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- 科名・属名 : バラ科 バラ属
注.APG分類では、学名(R. multiflora var. multiflora)
- 特徴 :
高さ2m程度になる落葉低木。
枝には鉤形の刺が多く、托葉は櫛の葉状に裂ける。
葉は奇数羽状複葉、小葉は7〜9個、頂小葉は卵形〜長楕円形で、長さ2〜4cm。先は急尖頭、縁は鋸歯縁。質は薄くて柔らかく、表面は浅緑色で光沢がなく皺があり、裏面と葉軸に軟毛がある。葉柄は長さ約1.5cm。側小葉は頂小葉よりやや小さい。
花は枝先に円錐花序となって多数つく、白色で径1.8〜2.3cm。花柄は長さ1〜1.5cm、やや湾曲し上向く。花弁は5(〜4)個で倒卵形。花床筒は卵状紡錘形、萼片は卵状披針形、縁は1〜2個の小裂片に分かれ、宿存しない。雄しべは多数で無毛、花弁とともに花床筒の喉部につく。花柱は柱状で無毛。花序柄、花柄、花床筒と萼片に軟毛と腺がある。
果実のように見えるのは偽果で萼筒が肥大して液果状になったもので、卵状楕円形〜球形で、径6〜9mmと小さく、9〜11月に赤熟する。中には痩果が5〜12個入り、長さ3〜4mm。
花が淡紅色を帯びるものがあり、
ウスアカノイバラ(f. rosipetala )(左下の写真)という。
- 分布・生育地 :
北海道(中南部)〜九州 (国外:朝鮮、中国) 山野、時に湿地
- 花期 : 5〜6月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2004年6月19日 長野県軽井沢 中1・全体2 2015年5月16日 兵庫県たつの市 (上、中1は拡大写真あり、写真をクリック) 中2・花序 2014年5月18日 愛知県田原市 中3・花 2014年5月19日 愛知県豊橋市 中4・果実 2021年9月29日 東京都あきる野市 左下・ウスアカ 2013年5月2日 鹿児島県甑島 (左下は拡大写真あり、写真をクリック) 右上・葉 2014年5月19日 愛知県豊橋市 右下・托葉 2014年5月27日 神奈川県川崎市
- 撮影記 :
俗に言うノイバラの類は、図鑑を見ると同じような白い花を咲かせるものでも数種類あり、はっきり認識して撮影してこなかった。
本種は全国の山野に普通に見られる種の一つで、この同定で多分間違いないだろう。
区別は慣れないとは難しいが、花の大きさや数、花・葉柄の毛の有無などを見て判断する。
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