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- 科名・属名 : バラ科 リンゴ属
注.APG分類では、学名(M. toringo var. toringo)
- 特徴 :
高さ6〜10mの落葉小高木〜低木。
幹は径30〜40cmになり、よく枝分かれしやや横に広がった樹形になる。樹皮は灰褐色、若枝は赤褐色〜暗紫色で白軟毛がある。
葉は互生、葉身は狭卵形、楕円形〜長楕円形、長枝につくものはしばしば3〜5中裂し、長さ3〜10cm、幅2〜4cm。先は鋭頭〜急鋭頭、基部は円形〜くさび形、縁には重鋸歯か鋭く細かい鋸歯がある。両面に軟毛があるか無毛。葉柄は長さ1〜3cm、白い軟毛がある。
花は短枝の先に4〜8個が散形花序になってつき、白色で初め紅色を帯び、径2〜3cm。花弁は5個、倒卵形で円頭、長さ11〜15mm、幅7〜10mm。雄しべは多数、長さ7〜9mm、花柱は普通3個で時に4個、基部に白軟毛が密生する。花柄は長さ2〜3.5mm。萼は鐘形、白い軟毛がある。
果実(梨果)は球形、径6〜10mm、無毛で9〜10月に紅色に熟す。
別名 コリンゴ、コナシ
- 分布・生育地 :
北海道〜九州(北部) (国外:中国(中部)) 山地林縁、湿原
- 花期 : 5〜6月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2015年5月30日 山梨県中巨摩郡 中上・全体2 2015年5月8日 静岡県伊豆半島 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中中・花 2015年5月30日 山梨県中巨摩郡 中下・蕾 2016年5月23日 栃木県日光戦場ヶ原 左下・果実(未熟果) 2020年8月13日 栃木県那須塩原市 右下・葉 2015年5月8日 静岡県伊豆半島
- 撮影記 :
初夏の山地の林縁で白い花を咲かせている。上高地の小梨平は本種の別名のコナシ(小梨)に由来しているようによく見られる。
花は盛期には白色であるが、咲き始めは白色と蕾の赤色と入り混じり、青い空に映えて美しい。
山地の湿原にも多く、関東辺りでは日光戦場ヶ原、尾瀬、霧が峰の湿原でも花を見た。
和名の由来は樹皮が黄色の染料として使われることから「染み」とか、果実が酸っぱいことから「酸実」などとの説がある。
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