ミセバヤ(見せば哉)

Hylotelephium sueboldii


ミセバヤ1


  • 科名・属名 :
     ベンケイソウ科 ムラサキベンケイソウ属

  • 特徴 :
     草丈15〜30cmの多年草。
     茎は多数束生し、斜上するか垂れ下がる。
     葉は3個輪生、葉身は倒卵形〜扇形、長さ1〜1.5cm、幅1.3〜2cm。先は円頭、基部は広いくさび形で葉柄はなく、縁に数個の低い波状鋸歯がある。質は肉質で帯粉緑白色。
     花は茎頂に球形で散房状につく。苞はない。花弁は5個、紅色で、楕円形〜倒披針形で鋭頭、長さ約4mm。雄しべは10個、2輪に配列し、裂開直前の葯は濃赤紫色。蜜腺は線形、長さ約1mm。雌しべは長さ約4mm。花柱は長さ約1mm。萼は5個、裂片は三角状卵形、長さ約1mm、萼筒もほぼ同長。

  • 分布・生育地 :
     四国(小豆島) (国外:日本固有)
     山地の岩上

  • 花期 :  10〜11月

  • 撮影月日・場所 :
    上・全体1 2004年10月23日  香川県小豆島
    中・全体2、以下全て    同  上
    (上、中は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     栽培が容易なため庭や石垣上で栽培されているものや逸出したものをよく見かけるものの、自生は香川県の小豆島だけである。
     紅葉で有名な寒霞渓をロープウェイで上がっていくと、まだ紅葉の時期には早いにもかかわらず、切り立った岩壁が赤く見えた。
     よく見るとこの花の群生である。近づける方法かないかと覗き込んだが、命がいくつあっても足りそうにない。どこかに撮影できる株があるはずとくまなく探し、やっと近寄れそうな株を見つけた。
     恐る恐るの撮影となったが、近くで見れば見るほど、和名の由来となった「誰に見せよう」という意味が納得できる美しい花だった。

  • 葉

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ミセバヤ2

花