- 科名・属名 ： ブナ科 コナラ属
- 特徴 ：
高さ１５ｍになる落葉高木。
幹は太いものは６０ｃｃｍになり、樹皮は灰褐色で、不規則に深く割れる。若枝は初め灰白色の短毛を密生するが、翌年度は無毛になり、円い皮目を散生する。
葉は互生、葉身は長楕円状披針形、長さ８〜１５ｃｍ、幅３〜５ｃｍ。先は鋭尖頭（稀に鈍形）、基部は円形で枝先のものはくさび形、縁には長さ２〜３ｍｍの芒となって突出する波状の鋸歯がある。質は洋紙質、表面には初め軟毛があるが次第に無毛となり、裏面は脱落しやすい黄褐色の軟毛が密生するが、後には中脈や側脈に散生するだけになる。葉柄は長さ１〜３ｃｍ。托葉は早落性、線形で長さ約１２ｍｍ。
花は雌雄同株、雄花序は葉の展開前に新枝の下部から垂れ下がり、長さ約１０ｃｍで、軟毛を密生する。苞は線形、長さ約２．５ｍｍ。雄花は杯形で、径約２．５ｍｍ、ほとんど無柄。花被片は膜質で、３〜５深裂する。雄しべは３〜６個、花被の外に飛び出る。雌花は新枝の中部から先に１〜３個つく。花柱は３個。
果実（堅果）は球形、径２〜２．３ｃｍ、翌年の秋に熟す。穀斗は半球形、径３〜３．５ｃｍ、総苞片は広線形でらせん状に密につき、反り返り、灰白色の短毛を密生し、上部のものほど長く、長さ約１ｃｍになる。 - 分布・生育地 ：
本州（岩手・山形県以南）〜沖縄 （国外：朝鮮、中国、東南アジア〜ヒマラヤ）
丘陵〜山地 - 花期 ： ４〜５月
- 撮影月日・場所 ：
上・全体１ 2016年4月9日 神奈川県川崎市１
中１・全体２ 2019年4月7日 同 上
中２・全体３ 2024年4月11日 東京都八王子市
(上、中１、中２は拡大写真あり、写真をクリック）
中３・雄花序 2019年4月7日 神奈川県川崎市２
中４・雄花 同
中５・果実(堅果)１ 2023年9月3日 神奈川県川崎市１
左下・果実２ 同 上
右上・葉(表) 2019年9月14日 東京都稲城市
右中・葉(裏) 同 上
右下・幹 2024年4月11日 東京都八王子市 - 撮影記 ：
関東でも丘陵地帯に残る雑木林を構成する主要樹種の一つで、秋口に長い総苞片に覆われた大きな果実を見つけると嬉しくなる。
花は春、まだ葉の展開する前に多くの雄花序をぶら下げて咲いているのがよく目立つ。
昔は薪や炭の材料として、現在ではシイタケの原木栽培のほだ木としても使われている。
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