ツブラジイ(円ら椎)

Castanopsis cuspidata


ツブラジイ1


  • 科名・属名 : ブナ科 シイ属

  • 特徴 :
     高さ20mになる常緑高木。
     幹は太いものは径1mになり、樹皮は灰黒色で普通割れ目はできない。若枝は褐色を帯びた灰緑色で、毛を散生するが、翌年には灰黒色になり、円形〜楕円形の小さな皮目が多い。
     葉は互生、葉身は卵状長楕円形、長さ5〜10cm、幅2〜3cm。先は鋭頭〜鋭尖頭、基部は広いくさび形、縁には上半部に鈍い鋸歯があるか全縁。
     花は雌雄同株、雄花序は長さ8〜10cm、新枝の下部から斜上するが、花序軸が繊細なので先は垂れ、鱗状の毛があり、虫媒花のため、花期には強い香りを出す。苞は半円形で早落性。雄花は苞の脇に普通1個、稀に2個つき、半球形で、径約3mm。花被片は6個、楕円形で、長さ約2mm、縁に微毛がある。雄しべは10〜12個、花糸は長さ約3mm。雌花序は新枝の上部から直立し、長さ約8cm、多数の雌花をつけ、稀に上部に雄花をつける。雌花は球形、径約1cm、基部は椀状の総苞に包まれる。花被片は6個、広楕円形で、長さ約0.6mm、微毛がある。花柱は3個、直立する。子房には微毛を密生する。
     果実(堅果)は球形〜卵状球形、長さ6〜13mm、翌年の秋に熟す。穀斗は卵形、若い内は果実を包むが、成熟すると3裂し、中から果実(堅果)を出す。穀斗の外側の鱗片状突起は同心円状に並ぶ。

  • 分布・生育地 :
     本州(関東地方以南)〜九州(屋久島まで) (国外:朝鮮(済州島))
     山地

  • 花期 :  5(下)〜6月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2019年5月18日  千葉県いすみ市
     中上・全体2、以下全て    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     千葉県にある花を捜しに出かけ、運良くすぐに見つけることができ、時間に余裕ができたので周辺の林を散策してみた。
     すると花満開の大木のこの樹が目に入った。虫媒花のため虫を引き寄せる強い芳香が辺りに漂っていた。
     そういえば実家(静岡県)の前にもこの木の大木があい、果実を拾ったことを思い出した。

  • 葉(表)

    葉(裏)

    同じ科の仲間の花
ツブラジイ2

雄花序