ドクウツギ(毒空木)

Coriaria japonica


ドクウツギ

  • 科名・属名 : ドクウツギ科 ドクウツギ属

  • 特徴 :
     高さ1.5mになる落葉低木。
     枝は無毛、樹皮は褐色で皮目が多く、小枝には4稜がある。
     葉は対生、単葉で、1本の枝に15〜18対つき、羽状複葉のように見える。葉身は卵形、長さ6〜8cm、幅2〜3.5cm。先は次第に尖り、基部は円形、縁は全縁。基部から伸びる3本の脈が目立ち、両面無毛。葉柄はほとんどない。
     花は雌雄同株、前年枝の葉腋から総状花序を出し、雄性または雌性の花序をつける。雄花序は長さ2〜5cm。萼片は広卵形で、長さ約3.5mm。花弁は、長さ約1cm。雄しべは10個で、離生する。雌花序は長さ6〜15cm、薄片は広卵形、長さ約2mm。花弁は楕円形、長さ約1mm、花柱は5個、心皮は5個で離生する。
     果実は宿存する萼をつけ、花の後肥大する花弁に包まれ核果状、径約1cm。初め紅色で熟すと黒紫色となる。分果は腎形、長さ約3mm、5本の太い脈条がある。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜本州(近畿地方以北) (国外:日本固有)
     原野、河畔、山地、丘陵地の日当たりのいい斜面、岩礫地

  • 花期 :   4〜5月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2021年5月12日  神奈川県箱根
     中1・雌花序〜中3・雄花序    同  上
     中4・果実1 2017年6月14日  静岡県下田市
     (上、中1、中4は拡大写真あり、写真をクリック)
     左下・果実2、右上・葉1    同  上
     右下・葉2(幼葉) 2021年5月12日  神奈川県箱根

  • 撮影記 :
     紅色の果実はいかにも美味しそうで、つい食べたくなるのも理解できるが、実際には有数の有毒植物である。
     毒は紅色の未熟果にもっとも多く含まれているようで、東北地方では子供が誤食し、死亡する事故が少なくなかったようだ。
     果実の派手さに比べると花は小さく地味で、そのつもりで探さないと気がつかないほどだ。
     私も果実を先に撮影したものの、花にはなかなか出会えず、やっと箱根で見つけ撮影した。
     雌雄同株で、写真のように雄花序は目立たないが、赤い5個の花柱がある雌花序は、よく見るとなかなか綺麗だ。

  • 葉1

    葉2(幼葉)

    同じ科の仲間の花
雌花序

雌花

雄花序

果実1

果実2