オオバグミ(大葉茱萸)

Elaeagnus macrophylla


オオバグミ1

  • 科名・属名 : グミ科 グミ属

  • 特徴 :
     高さ2〜4mの常緑低木。
     枝はツル状に伸び、分枝は下向きに伸びる。小枝は太く、稜角があり、淡褐色や褐色の鱗状毛がある。
     葉は互生し、葉身は広卵形、長さ5〜8(−10)cm、幅4〜6cm。先は急に短く尖り、基部は円く、縁は波打つ。質はしなやかな革質、表面は深緑色で光沢があり、初め銀色の鱗状毛があるが次第に落ち、裏面は銀白色の光沢なる鱗状毛を密生し、淡黄褐色〜褐色の鱗状毛が散生する。葉柄は長さ1〜2.5cm。
     花は葉腋のごく短い枝の先に1〜3個垂れ下がってつき、花弁はなく萼筒は白色で広鐘形、長さ4〜5mmと短く、基部は急にくびれ子房につながる。先は4裂し、裂片は萼筒とほぼ同長。萼筒の外面には銀白色の鱗片が密生し、淡赤褐色の鱗状毛が混じる。花柄は長さ5〜8(−10)mm。
     果実(偽果)は長楕円形、長さ1.5〜2cm、3〜4月に紅熟し、外面に白い鱗状毛が残る。
     別名 マルバグミ

  • 分布・生育地 :
     本州(宮城県以南)〜沖縄 (国外:朝鮮(南部)、中国(東部)、台湾
     海岸、沿海地

  • 花期 :   10〜11月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2017年11月2日  神奈川県三浦半島
     中1・全体2 2014年11月23日  神奈川県城ヶ島
     (上、中1は拡大写真あり、写真をクリック)
     中2・花序 2014年11月7日  千葉県鴨川市
     中3・花1 2017年11月2日  神奈川県三浦半島
     中4・花2(側面) 2014年11月7日  千葉県鴨川市
     中5・果実1 2020年2月23日  長崎県福江島
     左下・果実2 2015年4月25日  神奈川県城ヶ島
     右上・葉(表) 2017年11月2日  神奈川県三浦半島
     右中・葉(表鱗片) 2020年2月23日  長崎県福江島
     右下・葉(裏) 2017年11月2日  神奈川県三浦半島

  • 撮影記 :
     秋も深まった頃、海岸植物の撮影に出かけると、海岸端でグミの花を見かける。
     春に同じ場所でもグミの花を見かけるので、知識のないころは春咲きの花の狂い咲きかと思っていた。
     調べると本州(宮城県以南)〜沖縄にかけての海岸に生え、秋に花が咲き、葉が卵円形で大きいことから、別名マルバグミと言われる本種ということがわかった。
     葉裏は銀白色の鱗片に覆われて白っぽく見え、表面も最初鱗状毛があるが(中1の写真では見える)次第に脱落し、すべすべした光沢のある葉(右上の写真)になっていることが多い。
     グミは実があってこそ、果実の熟す春に撮影に訪れたが、時期が遅かったせいかわずかな数しか残っていなかった。
     果実は大きく、紅熟しても表面に白い鱗片が残るため、全体に白っぽく見える。

  • 葉(表)

    葉(表鱗片)

    葉(裏)

    同じ科の仲間の花
オオバグミ2

花序

花1

花2(側面)

果実1

果実2