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- 科名・属名
: ハマビシ科 ハマビシ属
- 特徴
: 茎の長さ1m程度の1年草。
茎は基部で分枝し、枝はさらに分枝し、粗い毛が多い。
葉は偶数羽状複葉で、大型と小型の2種類の小葉がある。大きいほうの小葉は6〜7対の小葉がつき、小葉は長楕円形で長さ10〜18mm。小さいほうは3〜5対の小葉がつき、小葉は5〜12mm。
花は小型葉の葉腋か、大型葉に対生して1個ずつつく。花冠は黄色で、花弁は5個で長さ5mm。
刮ハは径約1cm、熟すと5裂する。果皮は木質で10本の鋭い刺と刺状の毛が多数ある。
- 分布・生育地
: 本州(千葉県以西)〜九州 海岸の砂浜
- 花期
: 7〜10月
- 撮影月日・場所
: 2004年9月18日 兵庫県 上は拡大写真あり(写真をクリック) 中、下 同 上
- 撮影記
:
かってはこの花も房総や鎌倉の浜に生育していたようである。
しかし、この植物が生える砂浜は海水浴場としても適地で、写真のように鋭い棘を持つ果実は、裸足の海水浴客には邪魔者でしかない。
そんなわけで、探しに出かけた浜では「昔は一杯あって取り除くのに苦労した」と言われた。
瀬戸内海の浜辺にはこの花がまだあるらしいとの情報を手に入れ、場所を確認するため兵庫県のある役場に電話を入れたところ、当日はわざわざ職員の方が現地まで案内してくれた。
四方八方に広がった茎の先に淡黄色の花を咲かせ、咲き終わった葉腋には金平糖のような果実がいくつも付いていた。果実に触ると硬くて鋭い刺があり、確かに裸足で踏んだら痛いだろうと実感した。
「見方が違えば貴重な者にも邪魔者にもなる」当たり前のことであるが、多くのことに通じる教訓と、自戒の念を持った。
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