ヒナノキンチャク(雛の巾着)

Polygala tatarinowii


ヒナノキンチャク1


  • 科名・属名 : ヒメハギ科 ヒメハギ属

  • 特徴 :
     草丈5〜15cmの1年草。
     茎は基部で分枝し、隆起線があり、全体無毛。
     葉は互生、葉身は卵円形〜楕円形、長さ1〜3cm。先は尖るか円いものまで色々あり、基部は急に狭まり葉柄に沿下し、鋸歯はなく縁に毛がある。葉柄は長さ2〜8mm。
     花は茎頂や枝先に総状花序にとなり、長さ約2mmの小さな多数つけ、花序柄を入れると長さ約8cmになる。花弁は3個、淡紅紫色、基部側の2/3は合着し、下の1個の竜骨弁は先が袋状で円く、黄味をおびる。萼は5個で緑色、3個は小型で卵形、長さ約1mm、花後脱落し、2個の側萼片は狭倒卵形〜へら形で花弁状、長さ約2mm。子房は円形、径約1mm以下。花柱の先端はロート形で裂片がある。
     果実(刮ハ)は普通片側につき、扁平な円形で、長さ2〜3mm、伏した軟毛が疎らにあり、翼は幅0.2〜0.5mm。種子は楕円形で黒色、長さ約1mm、表面に微毛があり、先端に小型の仮種皮がある。

  • 分布・生育地 :
     本州(太平洋岸は岩手県以南、日本海側は山形県以南)〜九州 (国外:朝鮮、中国、台湾、フィリピン、東南アジア〜インド)
     日当たりのいい山野

  • 花期 :   7〜10月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1999年9月4日  長野県諏訪郡
     中上・全体2    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中中・花序 1999年9月12日    同  上
     中下・花 2002年7月13日  山口県秋吉台
     左下・果実(刮ハ) 2007年10月7日  福岡県平尾台
     右下・葉 2002年7月13日  山口県秋吉台

  • 撮影記 :
     和名の由来となった小さな円い果実を巾着(=小銭入れ、といっても今は死語?)に例えた花で、紅紫色の小さな可愛い花と多数の果実を同時につけている。
     写真では大きく見えるかもしれないが、小さな株では5cmにも満たない草丈で、重そうに巾着をさげている。
     石灰岩地帯に多いようで、長野県でもそうであったし、秋吉台や平尾台でも見かけた。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
ヒナノキンチャク2

花序

花

果実(刮ハ)