ゲンノショウコ(現之証拠)

Geranium thunbergii


ゲンノショウコ


  • 科名・属名 : フウロソウ科 フウロソウ属

  • 特徴 :
     草丈30〜60cmの多年草。
     茎はよく分枝して基部は倒伏し、茎や葉柄に開出するか下向きの屈毛が多い。
     葉は幅1〜8cm、下部の葉は5つに中裂〜深裂、上部の葉は3深裂し、裂片は卵形で2〜6個の大きな鋸歯がある。表面と裏面脈上に伏毛がある。葉柄は長さ約10cm。
     花は茎頂や枝先に2個ずつつき、直径1〜1.5cm。花序柄と花柄に開出毛と腺毛が密生する。花弁は5個、紅紫色〜淡紅紫色〜白色。萼片は長さ5〜6mm、花弁より少し短く、先端は芒状に尖り、外面の脈上に開出毛と腺毛が密生する。雄しべは5個、葯は青色〜青紫色〜淡紅紫色。雌しべは長さ約5mm。花柱分枝は長さ約2mm。
     果実(分果)は長さ1.5〜2cm、短毛と腺毛が多い。熟すと5裂し、裂片は種子を1個ずつ巻きあげる。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜九州(奄美大島まで) (国外:朝鮮、台湾、中国(中部)、ロシア(極東地域))
     山野の草地

  • 花期 : 7〜10月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体 1998年9月23日  東京都高尾山
     中1・全体2(赤花) 1987年9月20日  京都府鞍馬山
     (上、中1は拡大写真あり、写真をクリック)
     中2・花1 2014年8月20日  岩手県花巻市
     中3・花2(赤花) 2019年8月30日  高知県高岡郡
     中4・花3(細弁) 2016年11月5日  東京都八王子市
     中5・花柄 2016年11月5日  東京都八王子市
     左下・果実(分果) 2014年11月7日  千葉県清澄山
     右上・葉1(下部) 2022年9月4日  長野県下伊那郡
     右中・葉2(上部) 2014年8月20日  岩手県花巻市
     右下・茎 2016年11月5日  東京都八王子市

  • 撮影記 :
     古くから下痢止めとして使われ、煎じて飲むとすぐに薬効が現われるということから、この和名が付けられている。
     夏の終わりから秋口にかけてほぼ全国どこにでも見られ、東日本には白色の花が、西日本には紅花が多い。
     西日本で初めて赤花を見たときは、白い花と同じ種類とはとても思えなかった。
     他にも花弁の細い花も紹介したが、分布域が広いため花の色や毛の密度など変化が多いようだ。
     左下の写真のように、果実(分果)は熟すと5裂し、裂片が種子を巻き上げ、その形が祭りの御輿の屋根に似ているというので、「ミコシグサ」という別名もある。

  • 下部の葉

    上部の葉

    茎

    同じ科の仲間の花
ゲンノショウコ2(赤花)

花1(白花)

花2(赤花)

花3(細花弁)

花柄

果実(分果)